大判例

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大阪高等裁判所 昭和30年(う)2240号 判決

所論は原判決摘示九の事実は被告人が製造場として届出ていた兵庫県豊岡市本町六一番地の一より蔵置場として使用していた同市大開東一二八番地日本物産株式会社豊岡出張所倉庫に魚容器六八六個を移入し貯蔵していたことが物品税逋脱を図つたというのであるけれども現実に被告人は右倉庫を蔵置場に使用していたことが証拠上認められるのであるから原判決が前記倉庫に製品を移入した事実を以て物品税法第四条にいわゆる「製造場より移出したもの」と解したのは事実誤認の違法がある旨主張する。よつて案ずるに物品税法第十一条はその第一項において「命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ承認ヲ受ケ他ノ製造場又ハ蔵置場ニ移入スル目的ヲ以テ製造場ヨリ移出シ又ハ………ノ物品ニ付テハ第四条ノ規定ヲ適用セズ」と規定し、その第二項において「前項ノ場合ニ於テハ移出先又ハ引取先ヲ以テ製造場ト看做シ移出先又ハ引取先ノ営業者ヲ以テ製造者ト看做ス」と規定するところから考究すれば所定の政府の承認を受けて届出の製造場より蔵置場に課税物品を移出した場合はその移出先なる蔵置場が該物品の製造場と看做され未だ製造場より移出されたものとしての課税段階に至らないことは明らかである。しかし前示の各規定に照し、それは右承認を受けたときにかぎるのであつて、その承認がないのに拘らず蔵置場に移入するのは、たとえその場所を現実に蔵置場として使用しておつた場合であつてもなお製造場より物品が移出されたとして同法第四条に則り課税せらるべきものと解すべきは疑を容れない。被告人が原判示九の物品を所論蔵置場に移入することにつき政府の承認を受けていなかつたことは原判決挙示の証拠によりこれを窺知し得るのであるからその場所を実際蔵置場として使用していた事実があると否とを問わず課税せらるべき製造場よりの移出があつたものというべく(なお当審における検証の結果その他記録中の諸資料に鑑みれば所論の倉庫は届出製造場から相当の距離に在つて、これを右製造場の一部とみることもできない)物品税法第四条による課税を免れ得ないものと認むべきである。これと異なる見解に立つ所論は採用し難い。そして原判決挙示の証拠によると被告人には右物品に対する物品税逋脱の意思があつたものと認められるのであつて、所論に鑑み記録を精査してみても原判決には所論のような事実誤認なく論旨は理由がない。

(裁判長判事 吉田正雄 判事 山崎寅之助 判事 大西和夫)

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