大阪高等裁判所 昭和31年(う)11号 判決
弁護人は、原判決は判示第一の(1)乃至(7)の事実を認定しているけれども右は誤である。(4)乃至(7)の事実については公訴の提起はないのである。又原審の科刑も不当であると主張する。
しかして記録を調査してみると、原判決が判示第一で認定している窃盗の事実中(5)(6)(7)については公訴の提起せられた形跡は認められない。従つて原判決は刑事訴訟法第三百七十八条第三号の審判の請求を受けない事件について判決をした違法があるものといわなければならない。しかし、右事実は本件控訴に伴い事実上当審に繋属するに至つたのであるから当審においては適法な公訴なかりしものとして公訴棄却の裁判をしなければならない(昭和二五年一〇月二四日最高裁判所第三小法廷判決)。よつて原判決を破棄し当審で直ちに判決できるものと認め量刑不当の主張については同時に判断することとし刑事訴訟法第三百九十七条第四百条但書の規定に従い次の通り判決する。
(裁判長判事 斉藤朔郎 判事 網田覚一 判事 小泉敏次)