大阪高等裁判所 昭和32年(ラ)188号 決定
競落許可決定に対する利害関係人の抗告は、競売法第三二条第二項により準用される民訴法第六八〇条、第六八一条、第六七二条所定の事由がある場合にのみ許され、而も手続によつて損失を被る場合でなければならない。ところで本件競売手続において抗告人の討論のように競売不動産に賃貸借がないものとし、従つて、その公告がなされていないことは本件記録によつて明らかであるけれども、たとえ、抗告人討論のような抵当権者並びにその第三者に対抗しうる賃借権を有するのに、右賃借権の負担のないものとして競売されても、真実右不動産につき抵当権者に対抗しうる賃借権を有するものは右不動産の競落人に対してもその賃借権を以つて対抗しうるのであるから、右の理由のみを以つては、抗告人が本件競落許可決定により損害を蒙るものとはいえない。よつて、本件抗告はそれ自体理由ないとして、抗告棄却した。