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大阪高等裁判所 昭和39年(ネ)736号 判決 1965年8月09日

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人等の負担とする。

事実

控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述並びに証拠の提出、援用、認否は、控訴代理人において乙第四号証を提出し当審における控訴人両名本人尋問の結果を援用し、甲第三及び第四号証の各三の成立を認め被控訴代理人において甲第三及び第四号証の各三を提出し、乙第四号証の成立を認めたほかは、いずれも原判決事実摘示と同一(但し「第三被告の主張」のうち二枚目裏八行目中「債務不履行で」とあるを「債務不履行が」と訂正する)であるから、ここにこれを引用する。

理由

当裁判所は被控訴人の本訴請求は相当であると認めるものでありその理由は、次のとおり附加するほかは、原判決理由摘示と同一(但し同三枚目裏八行目中「延滞で」とあるを「延滞が」と、また四枚目裏四行目中「甲第七号証」とあるを「甲第七号証の一、二」と訂正する)であるから、ここにこれを引用する。

一、当審における控訴人本人増井清栄の供述によると、同人の長女山本満智子は昭和三五年一月頃貝塚市の療養所仙石荘を退院して本件家屋に帰り数日後日高病院に入院し昭和三九年二月頃同病院を退院して本件家屋に帰つて来たことが認められ、また原審及び当審における控訴人本人巌郎及び当審における控訴人本人増井清栄の供述によると、控訴人清栄の二女敬子は昭和三四年二月頃東京から本件家屋へ帰りその後大阪や神戸の勤め先に主として本件家屋から通つていたこと、および同女も控訴人等一家の生活費を分担していたことが認められる(この点において、被控訴人先代三尾常次郎が賃料支払いの催告及び契約解除の意思表示をした各当時における控訴人等一家の家族構成及び収入源に関する原判決理由五枚目二行目から一一行目までの認定を右のとおり訂正する)。しかし原審並びに当審における控訴人両名各本人尋問の結果および弁論の全趣旨を総合すると、控訴人等両名は満智子及び敬子より本件賃貸借につき被控訴人側との交渉をまかされその代理権を有していた(当時未成年の義子については同居していた母の控訴人清栄が代理していた)ことが明らかであるから、被控訴人先代常次郎が控訴人両名に対してなした本件賃料支払いの催告ならびに契約解除の意思表示は控訴人等一家全員に対し有効であり、原判決が右催告ならびに契約解除の意思表示を有効と認めたのは相当であるといわなければならない。

その他当審において控訴人等が提出、援用した全証拠によつても原審の認定を左右することはできない。

よつて被控訴人の本訴請求を認容した原判決は相当であるから民事訴訟法第三八四条、第九五条、第八九条、第九三条を適用して主文のとおり判決する。

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