大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和45年(ネ)645号 判決 1970年11月26日

第六四五号被控訴人、第七四五号控訴人(原告)

小川米子

ほか三名

第六四五号控訴人、第七四五号被控訴人(被告)

兼元吉男

吉田秀男こと金権俊

主文

第一審被告の控訴を棄却する。

第一審原告らの控訴に基づき原判決をつぎのとおり変更する。

第一審被告は

(1)  第一審原告小川米子に対して金五、四三九、二一四円および内金四、九〇五、八八一円に対する昭和四一年五月二七日から内金三三三、三三三円に対する昭和四五年四月二五日から内金四〇万円に対する昭和四五年一一月二六日からそれぞれ支払ずみまで年五分の割合の金員

(2)  その余の第一審原告らに対してそれぞれ金九三九、八六七円および内金八一七、六四六円に対する昭和四一年五月二七日から、内金五五、五五五円に対する昭和四五年四月二五日から内金六六、六六六円に対する昭和四五年一一月二六日からそれぞれ支払ずみまで年五分の割合の金員

の各支払をせよ。

第一審原告らのその余の請求を棄却する。

訴訟費用は第一、二審を通じてこれを五分しその一を第一審原告らの負担としその余を第一審被告の負担とする。

この判決は第一審原告小川米子において金一〇〇万円、その余の第一審原告らにおいてそれぞれ金二〇万円の担保を供するときはそれぞれ勝訴部分に限り仮に執行することができる。

事実

第一審原告らは、「原判決中、第一審原告ら敗訴部分を取消す。第一審被告は第一審原告小川米子に対して金三、四五一、五二〇円、同小川秀一、同長島カヨ、同小川文子に対してそれぞれ金五七五、二五三円および右各金員に対する昭和四一年五月二七日からそれぞれ支払ずみまで年五分の割合の金員の支払をせよ。第一審被告の控訴を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも第一審被告の負担とする。」との判決および右金員支払部分について仮執行の宣言を求め、第一審被告は、「原判決中第一審被告敗訴部分を取消す。第一審原告らの請求をいずれも棄却する。第一審原告らの控訴をいずれも棄却する。訴訟費用は第一、二審とも第一審原告らの負担とする。」との判決を求めた。

当事者双方の事実に関する主張および立証の関係は、つぎに付加訂正するほかは、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。

(訂正)

(1)  原判決二枚目裏八行目の「京一す第九一」を「京一す第〇九一」と訂正する。

(2)  同三枚目表末行の「追ひ抜かそう」を「追ひ抜こう」と訂正する。

(3)  同三枚目裏一〇行目、一一行目を「、富三にも過失があり、過失相殺されるべき割合は、二〇%である。」と訂正する。

(4)  同四枚目表五行目の「3、損害」から、同五枚目裏九行目までを、「3、損害。訴外小川富三は、大正一三年一〇月四日生であり、昭和三一年二月六日、訴外旭コンクリート工業株式会社に入社し、同訴外会社に勤務中、昭和四〇年一月九日死亡したが、本件事故がなければ、同訴外人は、昭和六〇年一〇月三日満六〇才になるまで、同訴外会社に勤務することができる。同訴外人の昭和四〇年二月一日現在の給料は、月額金三九、一〇〇円であり、この給料は、将来毎年六月に右月額を基礎として五パーセントづつ昇給するものである。同訴外人の賞与は、昭和四〇年六月分は、金一〇万円、同年一二月分は、金一〇五、〇〇〇円でありこの賞与の昇給率も、右給料の昇給率と同率である。退職金は、退職時の給料の六五パーセントを基本額とし、勤続年数は、昭和六〇年九月で二九年六ケ月強であるから、右基本額の六八・四ケ月分となる。a、以上を基礎として、訴外小川富三の逸失利益を計算すると (イ)、給料分、金四、八六九、〇〇七円、(ロ)、賞与分、金四、〇七五、五六五円、(ハ)、退職金、金一、七五二、六二三円、以上合計金一〇、六九七、一九五円となる。この計算は、同訴外人の生活費は、給料の半額が妻米子との生活費とし、二人の生活費であるから、同訴外人の生活費は、更にその半額としている。またホフマン式計算にあたつては、月別中間利息控除の方式を採用している。b、同訴外人の慰謝料、金三〇〇万円、かりに死者の慰謝料が認められないとすれば、第一審原告らが、右金額を各人の相続分に按分した額の精神的苦痛を直接受けたものと主張する。c、葬祭料金三〇万円。d、第一審弁護士費用、着手金二〇万円、成功報酬金五〇万円、第二審弁護士費用、金六七五、二九七円。4、差引金額a、損益相殺、金二、〇二一、四六〇円、b、過失相殺、金二、八七六、六一四円。」と訂正する。

(5)  同八枚目表三行目の「験別」を「験則」と訂正する。

(6)  同八枚目表七行目の「経験別」を「経験則」と訂正する。

(7)  同八枚目裏三行目の「岩田和夫」のつぎに「(第一ないし第三回)」を挿入する。

(8)  同四行目の「小川米子」のつぎに「(第一、二回)」を挿入する。

(9)  同八行目の「森原肇」のつぎに「(第一、二回)」を挿入する。

(10)  同九行目の「第四号証、」のつぎに「第七号証、」を挿入する。

(当審の主張)

一、第一審原告ら。

第一審原告らの請求金額は、合計金一三、九九七、一九五円であるところ、これから損益相殺、過失相殺、第一審判決認容額を差し引くと、残額は金四、五〇一、九八三円となり、控訴審の弁護士費用として、右残額の一五パーセントの支払を約束しているので、更に弁護士費用合計金六七五、二九七円(第一審原告らの負担額はそれぞれ相続分に応ずる)の支払を求める。

二、第一審被告

(1)  第一審原告らは、第一審被告との和解契約が解除されたと主張し、原判決もこれを認容しているが、第一審原告らの代理人とされている訴外岩田和夫は、代理人ではない。従つて、かりに同訴外人が第一審被告に履行を求めたとしても、それは、単に勧奨であつて、催告とはいえない。そうすると、第一審原告らの解除通知は、催告なくしてなされたもので、その効果はなく、第一審被告の昭和四一年五月一三日の履行により、本件債務は消滅している。

(2)  第一審原告らは、本訴提起前に、本件事故の加害者である訴外森原肇との間に示談解決済であり、第一審被告が更に請求を受けるいわれはない。

(3)  原判決は、葬式費用として金三〇万円を認容しているが、その内容については立証なく、単に証人小川秀一の証言を根拠としているのは納得できない。昭和三九年当時としては高額である。

(4)  訴外亡小川富三の逸失利益に関する第一審原告らの主張によれば、給料、賞与は、年五分の利息によつてすらカバーされ、元金が殆んど残ることになつて不合理であり、また、退職金については、本件死亡により現実に支払われた退職金が控除されていない。慰謝料は、昭和三九年当時は、金一〇〇万円が相当であり、生活を共にしない相続人に慰謝料を認めない原判決は正当である。

(当審の証拠)〔略〕

理由

本件事故の態様についての当裁判所の判断は、原判決九枚目表二行目から同一〇枚目表一一行目まで記載の判断説示と同一であるから、これを引用する。ただし、同一〇枚目表一一行目の「供述」のつぎに「(第一回)」を挿入する。

右認定によれば、第一審被告は本件事故の損害を賠償すべき義務がある。

(示談について)

〔証拠略〕を総合すると、昭和四〇年三月二九日、本件当事者間で、第一審被告が第一審原告らに対して、本件事故の損害賠償として、同年四月末日に金五〇万円(ただし、これは自動車損害賠償保険金で支払う)、同年五月から同年九月まで毎月末日に金一〇万円、同年一二月末日に金三〇万円、合計金一三〇万円を支払う旨の和解契約が成立したが(第一審原告らの右和解契約不成立の主張についての判断は後記認定のとおりである。)、第一審被告は、この約束を履行せず、第一審原告らの依頼を受けた訴外岩田和夫が同人らの代理人としてなした再三の催告にも応じなかつたので、第一審原告らは、昭和四一年四月二四日到達の書面で、右和解契約解除の意思表示をし、右和解契約が解除されたことが認められる。この認定に反する第一審原告小川秀一、第一審被告各本人尋問の結果の各一部は、いずれも前掲各証拠および弁論の全趣旨に照らして信用し難く、ほかに右認定を覆えすに足る証拠はない。従つて、〔証拠略〕により認められる第一審被告が昭和四一年五月一四日前記和解金の弁済のためなした金八四万円の供託は、右和解契約に基く弁済としての効力は有しない。

なお、第一審原告らは、右和解契約は、金五〇万円と手形の交付が成立要件となつていたのに、その履行がなかつたので、成立していない旨主張するが、第一審原告小川秀一本人尋問の結果のほかには、この主張事実を認めるに足る証拠はなく、右本人尋問の結果の信用できないことは、既に述べたとおりであるので、この主張は採用できない。

また、第一審被告は、第一審原告らと直接の加害者である訴外森原肇との間で、昭和四一年二月同訴外人が第一審原告らに対して金五〇万円を支払い、これにより示談解決する旨の和解契約が成立しているから、第一審原告らの請求は失当である旨主張している。原審証人森原肇の証言(第一、二回)によれば、右訴外人が第一審原告小川米子に対して金五〇万円を支払つた事実を認めることができるが、同証言中示談解決の和解契約が成立した旨の右主張事実にそう部分は、左記認定に照らしてたやすく措信できないのみならず、ほかに右主張事実を認めるに足る証拠はない。かえつて、第一審原告本人小川秀一の供述によれば、右金員は損害金の内金として受け取つたにすぎないものであつて、示談解決の和解契約が成立していないことを認めることができる。それ故第一審被告の右主張は採用できない。

(損害について)

まず、訴外亡小川富三の得べかりし利益について判断する。

〔証拠略〕によれば、訴外亡小川富三は、大正一三年一〇月四日生であつて、戦後立命館大学専門部を卒業し、昭和二五年一二月二八日、第一審原告小川米子と結婚し、兄の第一審原告小川秀一と共に電気関係の仕事をしていたが、昭和三一年二月六日、訴外旭コンクリート工業株式会社に入社し、死亡当時まで、同訴外会社に勤務していたこと、同訴外会社は、少なくとも昭和三一年以降毎年六月と一二月に、賞与を支給し、将来も同様に賞与が支給されること、同訴外人は、死亡当時月給として金三九、一〇〇円の支給を受けており、昭和三九年六月には金一〇万円、同年一二月には金一〇二、〇〇〇円の賞与を受けたこと、同訴外人は生存すれば満六〇歳まで、同訴外会社に勤務できたことが認められ、ほかにこの認定を覆えすに足る証拠はない。

第一審原告らは、将来退職時まで右月給および賞与が毎年五パーセントづつ昇給する旨主張している。

〔証拠略〕を総合すると、

(1)  訴外旭コンクリート工業株式会社には、給与体系の定めがなく、一般的な昇給に関しては、賃金規則に「昇給は原則として、年一回行う。但し事情により行わないことがある。昇給の時期および基準総額は会社が決定する。」という旨の定めがあるだけである。

(2)  同訴外会社に勤務している者の一部の年収の推移は別紙年収表のとおりである。

(3)  同訴外会社では、四〇歳以上になると役付になり、役付になると、賞与は業績に左右される。訴外亡小川富三は、本件事故直前に課長となり、役付となつていた。

(4)  同訴外会社の業績は、昭和四二年一二月当時で、過去四年間同程度であつた。

以上の事実が認められ、ほかにこの認定を覆えすに足る証拠はない。

なお、〔証拠略〕によれば、別紙年収表記載の訴外亡小川富三以外の三名は、同訴外人と似た条件の者とのことであるが、具体的な類似点についての証拠はない。

交通事故の被害者が死亡した場合、被害者の逸失利益の算定について、昇給(貨幣価値の下落に伴う名目的増収を除く)を加算するためには、単なる過去の実績だけから、帰納法的に推計することは許されず、公務員が法規により、貨幣価値の変動に関係なく昇給するように、民間企業にあつては、使用者制定の規則、または労働協約、あるいはこれらに準ずるもので、昇給についての客観的な定めがある場合に限り、昇給を加算することが許されるものと解するのが相当である。

前記認定によれば、訴外小川富三の年間収入は、昭和三二年以降本件事故当時まで、毎年一〇パーセント以上増加しており、別紙年収表記載の他の者の収入の増加率をも併せ考慮すると、一応同訴外人の年間収入は、少なくとも将来毎年五パーセントづつ増加するものといえなくはない。しかし、同訴外人の右収入の増加の中には、貨幣価値の下落に伴う名目的な増加があることは公知の事実であること、訴外旭コンクリート工業株式会社に具体的な給与体系の定めも昇給の定めもないこと、〔証拠略〕によれば、同訴外会社の業績は過去四年間必ずしも好調でなく、将来も過去のとおり昇給するとは予測できないことからすると、第一審原告らの訴外亡小川富三の収入が毎年五パーセントづつ増加する旨の主張は採用できない。〔証拠略〕に、前記認定の訴外亡小川富三が大正一三年一〇月四日生であるところ、同訴外人が昭和三一年二月六日訴外旭コンクリート工業株式会社に入社し、本件事故により死亡しなければ満六〇歳まで勤務し得た事実をも併せ考慮すると、同訴外人は、昭和三一年二月六日から昭和五九年一〇月三日まで、二八年七ケ月、合計三四三ケ月同訴外会社に勤務することができ、退職時の退職金は、基本給の月額の六五パーセントに六四・八を乗じた額であることが認められ、ほかにこの認定を覆えすに足る証拠はない。

以上述べたことに弁論の全趣旨を総合すると、訴外亡小川富三の得べかりし利益は、月額三九、一〇〇円の一年分金四六九、二〇〇円に、賞与の金一〇万円と金一〇二、〇〇〇円を加算した金六七一、二〇〇円を一二で除した金五五、九三三円(円未満切捨)を退職時まで毎月得たこととし、退職金計算の基本給は、右金五五、九三三円と認めるのが相当である。

第一審原告らは、訴外亡小川富三の生活費を月収の四分の一と主張しているが、第一審原告小川米子本人尋問の結果(第一回)に弁論の全趣旨を総合すると、同訴外人の生活費は、前記月収金五五、九三三円の五分の二と認めるのが相当である。

以上により同訴外人の得べかりし利益をホフマン式計算を用いて計算すると、(1)、給料、賞与分(55,933×3/5×2,127,177,034=7,138,763)金七、一三八、七六三円と、(2)、退職金(<省略>)金九六一、五九一円の合計金八、一〇〇、三五四円となる。

第一審被告は、右退職金から、本件事故による死亡に際して支払われた退職金を差し引くべきである旨主張するが、訴外亡小川富三の死亡により退職金が支払われたこと、支払われたとすれば、その金額がいくらであるかの立証がないので、この主張は採用できない。

つぎに第一審原告らは、同訴外人の慰謝料として金三〇〇万円を主張しているが、この主張は、既に述べた諸般の事情(前記訴外亡小川富三の得べかりし利益の算定に際して判断したように、同訴外人の年間収入は毎年五パーセントづつ増加することは認められないが、年間収入増加の蓋然性があることを含めて)に照らして正当なものと認められる。

つぎに葬祭料について判断するに、〔証拠略〕を総合すると、第一審原告らは、相続分に応じて合計金三〇万円の葬祭料を支出したことが認められ、ほかにこの認定を覆えすに足る証拠はない。

つぎに弁護士費用について判断するに、〔証拠略〕を総合すると、第一審原告らは、本件訴訟の弁護士費用を、本件相続分に応じて負担することとし、昭和四一年四月三日第一審の着手料として金二〇万円を支払い、第一審の成功報酬として判決時に勝訴額の一〇パーセントを、第二審の成功報酬として、金六七五、二九七円の支払を約束したことが認められ、ほかにこの認定を覆えすに足る証拠はない。そして、弁論の全趣旨によれば、右着手金二〇万円、第一審の成功報酬金五〇万円、第二審の成功報酬金六〇万円は、いずれも本件事故による損害と認めるのが相当である。

(過失相殺について)

第一審原告らは、訴外亡小川富三の過失により、同訴外人の損害から二〇パーセントの減額を自認しているところ、既に述べた事故の態様によつても、右以上の過失相殺をすべきものとは認められず、また、右以上の過失相殺をすべきことを認めるに足る証拠はない。

同訴外人の得べかりし利益金八、一〇〇、三五四円と慰謝料金三〇〇万円、合計金一一、一〇〇、三五四円から二〇パーセントを減ずると金八、八八〇、二八三円になる。

(損益相殺について)

第一審原告らは、本件事故の損害金として、金二、〇二一、四六〇円を受領していることを自認しており、弁論の全趣旨によれば、前記認定の第一審原告小川米子が訴外森原肇から受領した金五〇万円は、前記金員に含まれているものと認められるとともに、前記金員を訴外亡小川富三の得べかりし利益と慰謝料に充当するものとし、第一審被告もこの充当に異議がないものと認められる。

訴外亡小川富三の得べかりし利益と慰謝料の合計金八、八八〇、二八三円から右金二、〇二一、四六〇円を差し引くと、金六、八五八、八二三円となる。

(相続関係について)

〔証拠略〕を総合すると、訴外亡小川富三の相続人は、妻である第一審原告小川米子と兄弟であるその余の第一審原告らとの四名であり、第一審原告小川米子の相続分は三分の二、その余の第一審原告らの相続分は、それぞれ九分の一であることが認められ、ほかにこの認定を覆えすに足る証拠はない。

(遅延損害金について)

第一審原告らは、遅延損害金として、昭和四一年五月二七日から年五分の金員の支払を求めているが、この請求のうち、第一審弁護士費用のうちの成功報酬については、記録上原判決が言渡されたことが明らかな昭和四五年四月二五日以後、第二審の弁護士費用については、この判決言渡の日である昭和四五年一一月二六日以後の分は正当であるが、それ以前の分は理由がない。

(結論)

以上によれば第一審原告小川米子の請求のうち、(1)、得べかりし利益と慰謝料金六、八五八、八二三円の三分の二の金四、五七二、五四八円、(2)、葬祭料金三〇万円の三分の二の金二〇万円、(3)、着手金二〇万円の三分の二の金一三三、三三三円、(4)、第一審の成功報酬金五〇万円の三分の二の金三三三、三三三円、(5)、第二審の弁護士費用金六〇万円の三分の二の金四〇万円、以上合計金五、四三九、二一四円および内金四、九〇五、八八一円に対する昭和四一年五月二七日から、内金三三三、三三三円に対する昭和四五年四月二五日から、内金四〇万円に対する昭和四五年一一月二六日からそれぞれ支払ずみまで年五分の割合の金員の支払を求める部分は正当であるから認容すべきものであり、その余の請求は理由がないから棄却すべきものである。また、その余の第一審原告らの請求のうち、それぞれ、(1)、得べかりし利益と慰謝料金六、八五八、八二三円の九分の一の金七六二、〇九一円、(2)、葬祭料金三〇万円の九分の一の金三三、三三三円、(3)、着手金二〇万円の九分の一の金二二、二二二円、(4)、第一審の成功報酬金五〇万円の九分の一の金五五、五五五円、(5)、第二審の弁護士費用金六〇万円の九分の一の金六六、六六六円以上合計金九三九、八六七円および内金八一七、六四六円に対する昭和四一年五月二七日から、内金五五、五五五円に対する昭和四五年四月二五日から、内金六六、六六六円に対する昭和四五年一一月二六日からそれぞれ支払ずみまで年五分の支払を求める部分は正当であるから認容すべきものであり、その余の請求は理由がないから棄却すべきものである。

右によれば、第一審被告の控訴は理由がないことは明らかであるからこれを棄却することとし、原判決は右と結論を異にしているので、これを右のとおり変更し、訴訟費用については、民訴法九二条、九三条、九六条、仮執行の宣言については、同法一九六条に従い、主文のとおり判決する。

(裁判官 入江菊之助 中村三郎 道下徹)

年収表

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例