大阪高等裁判所 昭和46年(行ケ)3号 判決 1972年4月26日
原告 佐藤光司郎
被告 兵庫県選挙管理委員会
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一、当事者の求めた裁判
一、原告
1、昭和四六年四月一一日執行の兵庫県議会議員選挙西宮市選挙区における当選の効力に関し原告が被告に対してなした異議の申出でに対し、被告が昭和四六年五月二四日付でなした異議申出棄却決定を取り消す。
2、昭和四六年四月一一日執行の兵庫県議会議員選挙西宮市選挙区における当選人内海都一、同中沢栄二、同魚谷時太郎、同長本信頼、同奥五一、同尾崎圭之助、同井ノ口薫の各当選を無効とする。
3、訴訟費用は被告の負担とする。
との判決。
二、被告
主文同旨の判決。
第二、当事者陳述の要領
一、原告の請求原因
(1) 原告は、昭和四六年四月一一日執行の兵庫県議会議員選挙(以下「本件選挙」という。)西宮市選挙区において、同県議会議員の候補者となつたが、選挙会は、請求の趣旨第二項記載の七名の候補者を当選人と定めた。本件選挙の開票管理者は、本件選挙における原告の得票数は一一、三七一票で、最下位当選人の得票数は一三、〇七六票であつて、この間に一、七〇五票の差があると投票数を計算し、原告はいわゆる次点で落選した。原告は本件選挙の当選の効力に関し不服があるので被告に対し異議を申し出でたところ、被告は昭和四六年五月二四日付で原告の異議申出でを棄却するとの決定をなし、同決定は同月二七日原告に到達した。
(2) しかしながら、前記選挙会の当選人の決定には、次のような規定違反があるので請求の趣旨第二項記載の七名の当選人全員の当選は無効である。すなわち、本件選挙の開票管理者は、本件選挙の開票にあたり、投票の点検を怠たり、次のような開票結果に基づき、選挙会は当選人の決定を行なつたものである。
(イ) 原告の有効票が多数、他の候補者の有効票中に混入している疑いがある。
本件選挙の第二開票所における開票の際、原告の選任届出でによる開票立会人訴外植木寛は、同開票管理者がすでに点検済みの原告以外の候補者の得票であるとした一〇〇票宛括束中に、原告の有効票二〇票が混入したのを発見し、右植木は開票管理者に抗議して訂正せしめた事実がある。
また、開票管理者は、開票立会人らに対して開票事務の迅速化を理由に、むやみにせかすので、開票立会人らは、括束係、中間集計係らが各候補者の有効票であるとして一〇〇票単位に括束した投票用紙の束の上にいわゆる盲判を押し、次々にまわされる括束された票を処理するのに追われて、とても十分な点検は不可能であつたのが本件選挙の開票の実情で、この状況は右の第二開票所のみならず、特に原告の最大の票田をかかえる第一、第三の各開票所でも同様であつた。
(ロ) 本件選挙の第二開票所における開票の際、原告の選出届出でによる開票立会人植木寛は、開票管理者が無効票と決定した中に原告の有効票とすべき投票三七票があるのを発見し、右植木は開票管理者に抗議してその旨訂正させた事実がある。
(ハ) 各開票区とも投票総数と開票総数が一致しておらず、原告の有効票が紛失している疑いがある。
(3) よつて、本件選挙における選挙会の当選人の決定を正当とした被告のなした本件異議申出棄却決定の取消しと、本件選挙の当選人全員の当選無効を求める。
二、被告の答弁
原告が請求原因として主張する事実のうち、(1)の事実及び(2)の(イ)の事実のうち西宮市第二開票所における開票事務進行中、原告に対する投票二〇票が他の候補者の投票括束中に混入していることがわかり直ちに訂正された事実は認めるが、そのほかの事実は否認する。
第三、証拠関係<省略>
理由
一、原告が請求原因として主張する事実のうち(1)の事実及び同(2)の(イ)の事実のうち、西宮市第二開票所における開票事務進行中、原告に対する投票二〇票が他の候補者の投票括束中に混入していることがわかり直ちに訂正された事実は、当事者間に争いがない。
二、原告は、本件選挙の西宮市選挙区における当選人は、同開票区における開票管理者が本件選挙の開票にあたり投票の点検を怠つた結果に基づいて、決定されたものであると主張し、
(1) まず、原告の有効票が多数、他候補者の有効票中に混入している疑いがあると主張するところ、前記本件選挙の西宮市第二開票所における開票事務進行中、原告に対する投票二〇票が他の候補の投票括束中に混入していることがわかり直ちに訂正された、との当事者間に争いのない事実と成立に争いのない乙第一号証、第二号証、第三号証の一ないし四、証人植木寛、杉村睦久(ただし、いずれも後記措信しない部分を除く。)、郷田正一、藤本幸夫の各証言とあわせ考えると、次の事実が認められる。
(イ) 本件選挙の西宮市選挙区においては、第一ないし第四の四つの開票区が設けられ、それぞれの開票区に各一個所の開票所が設けられて、昭和四六年四月一二日に開票が行なわれた。各開票所においては、その開票事務を遂行するため、各係全般を統括する事務指揮者、庶務、記録その他事務の進行を図かる庶務係、開票録を作成する開票録係、投票の開披分類を行なう開披分類係、同一候補者の得票を二〇票単位に括束するとともにその内容と数を確認する第一括束係、第一括束係から回付された同一候補者二〇票括束のものの内容と数を点検し、これを一〇〇票(二〇票括束のもの五束)に括束する第二括束係、中間集計用紙に得票記入のうえ開票立会人、開票管理者の点検をうける点検兼中間集計係、疑問投票の有効無効を判定する疑問投票係(審査係)、候補者別得票数及び無効投票の計算をする得票計算係、候補者別得票数の発表、速報及び掲示を行なう発表速報係、同一候補者の得票の整理、保存及び有効投票無効投票の区別整理保存の措置を行なう整理係、事務の進行状況を留意し係相互間の連絡を行ない応援ならびに各分担への配置を指示し、事務の円滑を計かる調整進行係が置かれ、各開票区における開票立会人中原告の届出でにより定められた者は第一開票区にはなく、第二開票区は植木寛、第三開票区は杉村睦久、第四開票区は畑田与士三であつた。各開票所においては、開票当日午前八時から各開票管理者、開票立会人その他所定の関係者が参集のうえ開始され、開票管理者の開票開始の指示に基づき開披分類係において投票箱を全部開いて開披分類台上において投票を取り出し、開披に着手し、疑問投票又は無効投票を除き(これらは、所定の疑問投票籠又は無効投票籠に投入される)、明らかに有効と判定されるもののみを候補者別に分類し、第一括束係においてこれらをあらかじめ候補者ごとに区分された投票に他の候補者の投票又は疑問投票若しくは無効投票が混入していないかを確かめ、「有効投票二〇票」と標記し候補者の氏名欄ならびに第一及び第二括束係の点検欄が記載された括束票をもつて二〇票づつ「ゼムピン」で括束し、括束票点検欄に「/<編注:原文ではチェックマーク、以下同じ>」を記入し、他の候補者の投票が出たときは、その候補者の投票を所定の位置に置き、疑問投票又は無効投票が出たときは、疑問投票籠又は無効投票籠に投入し、右のように括束された投票は、間断なく第二括束係に回付するとともに、疑問投票又は無効投票は疑問投票係に回付し、第二括束係は第一括束係から回付された投票を同一候補者の得票のみであるかどうか、二〇票括束に誤りがないかどうかを点検のうえ前記括束票の点検欄に「/」を記入し、同一候補者の得票でないもの又は疑問投票若しくは無効投票が混入しているときは、これを同一候補者の他の投票にさしかえ、二〇票を超え又は二〇票未満の括束あるときは再調査のうえ、同一候補者の投票二〇票に括束し直し、括束点検ずみの有効投票を候補者別に一〇〇票(二〇票括束のもの五束)ごとに、「有効投票一〇〇票」と標記し候補者の氏名欄、開票管理者の認印欄ならびに点検欄として第二括束係、点検係、計算係の各欄が記載された括束票をつけ、括束点検欄に「/」を記入してゴムバンドで括束し、点検兼中間集計係に回付し、同係は、第二括束係から回付された括束(一〇〇票括束)を点検のうえ、括束点検欄に「/」を記入し開票立会人の点検を経て開票管理者の決定を得、その決定を得た投票は一〇〇票ごとにその括束票に開票管理者の認印を受け、得票計算係に回付し、この間疑問投票係(審査係)にあつては開披分類係、第一括束係、第二括束係及び点検係から回付された疑問投票を有効、無効に判別し、有効と認められるものについては候補者別に区分し、有効、無効の判定困難な投票は、疑問投票決定票を用い開票立会人の意見を聴いて開票管理者の決定を求め、開票管理者の認印を受けて有効、無効に区分し、点字、ローマ字等の投票は翻訳のうえ、それぞれ有効、無効に区分し開票立会人の意見を聴いてただちに開票管理者の決定を求めて認印を受け、いずれも有効と決定されたものについては、候補者別に区分し、無効投票には無効投票類別決定票(類別内記は公職選挙法六八条各号のほか、白紙投票、単に雑事又は記号符号を記載したものの類別)を付し、無効投票数を記入のうえ、開票管理者、同立会人の点検、認印を受け、得票計算係に回付し、同係は従事者二人で各別に同一候補者の得票数を計算し、得票計算表を作成し、括束票の点検欄に「/」を記入し、無効投票については、その票数を無効類別ごとに計算し、無効投票計算表を作成し、無効類別決定票の点検欄に「/」を記入して整理係に回付し、同係は回付を受けた有効投票を候補者ごとに括束し得票数を記入した符箋を付し、開票が終了したときに庶務係とともに有効投票、無効投票別に梱包し、その表面にそれぞれの投票が在中する旨を明記し、開票管理者、同立会人の認印を受けて開票手続を終了し、各開票所は、第一は同日午後三時、第二は午後二時一五分、第三は午後二時一〇分、第四は午前一〇時四〇分それぞれ閉鎖された。
(ロ) 本件選挙の西宮市選挙区における第二開票所で開票の際に、その開票立会人となつた植木寛は、開票立会人八名中最初に開票立会人として点検する位置に席を占めたが、その点検を実施中前記点検兼中間集計係から点検のために回付された原告以外の一〇〇票括束中に原告の投票二〇票の括束が混入されていたことを発見し、これを所定の係に告げて返付したところ、その一〇〇票括束が訂正されて再び右植木の点検を受け、他の開票立会人に回付された。被告はその管理する選挙の開票事務の合理化をはかるため開票事務迅速化要領を定め、その中に開票管理者の心得の一つとして、開票管理者は開票事務を開始する前に、開票立会人に対し、疑問投票を除く他の有効投票については、各係を経て厳正に処理のうえ、各候補者別に括束されたものであることを説明し、開票立会人においていたずらにこれらの点検に時間を空費することのないよう理解、協力を求めることを定め、また本件選挙の西宮市選挙区における西宮市選挙管理委員会においても本件選挙のため開票事務従事者要領を定めて、右と同趣旨の定めをなし、本件開票当日第二開票所においても右の趣旨に沿つて開票管理者及び同代理者は開票立会人に対し随時点検の迅速化を要求し、他方右植木開票立会人は初めて開票立会人となつたので投票の点検に要領をえず、その回付された点検すべき投票括束が溜つて他の立会人からも点検の迅速化を要求したこともあつたが、前記のように右植木が一〇〇票括束中二〇票の混入を発見したのは、開票開始から約三時間後であつて、開票管理者らから点検の迅速化を二回ほど要求された後であつた。その後植木立会人は点検に慣れて、これを迅速に行ない、一〇〇票括束につきそれぞれ一応全部の投票用紙に目を通して点検を了したが、右の二〇票混入以外には、原告の有効投票が他の候補者の有効投票中に混入していたことは発見できなかつたので、点検印を押して他の開票立会人に回付した。植木立会人は開票終了後、その点検した投票に異常を発見しなかつたので、他の立会人とともに、異議なく開票録に署名した。
(ハ) 本件選挙の西宮市選挙区の第三開票所における開票立会人八名のうち原告の届出でによつて定められた開票立会人杉村睦久も、開票立会人は初めての経験であつたが、初めのうちは一枚一枚投票を丹念に点検していたが開票管理者から点検の迅速化が要求され開票の終了ころにはその点検も慣れて迅速に点検を了し、これが点検中原告の有効投票が他の候補者の括束票中に混入されていたことを発見しなかつた。他の開票立会人においても右の混入の事実は指摘されず、開票終了後他の立会人とともに異議なく開票録に署名した。
(ニ) 同第一及び第四開票所においても、開票立会人が点検中原告の有効投票が他の候補者の括束票中に混入されていた事実は指摘されず、開票終了後開票立会人全員異議なく開票録に署名した。
以上の事実が認められ、証人植木寛、杉村睦久の各証言、原告本人尋問の結果中右の認定に反する部分は措信できない。原告は第二開票所における開票の際、開票管理者がすでに点検ずみの原告以外の候補者の得票の一〇〇票括束中に原告の有効投票二〇票が混入されていたのを開票立会人植木寛が発見したと主張するけれども、前記認定のように植木開票立会人の発見した混入された括束票は開票管理者が点検を終了したものではなく、第二括束係において一〇〇票に括束し点検兼中間集計係において開票立会人に点検を受けるために回付した括束であつて植木立会人は他の立会人に先立つてこれが点検にあたり、その結果右の混入を発見したものにすぎない。また、原告は開票管理者は開票立会人らに対し開票の迅速化を理由にむやみにせかすので開票立会人らは点検のため中間集計係から回付された各一〇〇票括束を十分に点検できず、その括束票に盲判を押して他の開票立会人に回わさざるをえなかつたと主張するけれども、第二開票所における植木立会人にあつては右に認定のように開票管理者からの開票点検事務の迅速化の要求があつてからも、その点検すべき各一〇〇票括束につき全くこれを点検しなかつたものでなく、その点検の方法も慣れて迅速に点検を了したもの(証人植木寛の証言によると、各一〇〇票括束につき投票用紙に候補者の氏名を書いてあるのが何であるかわかるような開き方をしていわゆるパラパラと見て認印を押したことが認められるので、このような方法は同人の開票開始直後の点検方法と異なるが、点検事務が慣れるにしたがつて自ら体得した点検方法と認めるのが相当である。)であつて、一〇〇票括束の内容を全く見ないで点検を了したものとするいわゆる盲判ということはできない。他方同開票所で他の開票立会人において一〇〇票括束につき全く内容を点検せずに盲判を押して他の開票立会人に点検のため回付したとの事実を認めるに足る証拠はない。さらに、原告は第一、第三開票所においても右同様十分な点検はできなかつたと主張するけれども、第一開票所においてこれが事実を認めるに足る証拠はなく、第三開票所において原告の届出でにより定めれらた開票立会人杉村睦久の証言中には、開票当日午後一時半ごろからは各一〇〇票括束の上の一、二枚又は下の一、二枚を見て点検したにすぎない旨の供述があるけれども、これをもつて全く点検をしないで盲判を押して他の開票立会人に回付したものということはできないし、その他の開票立会人において点検をしないで盲判を押し他の立会人に回付したことを認めるに足る証拠はない。
右の事実によると、各開票所において開票管理者による点検がすんだ一〇〇票括束中に原告の有効投票が多数他の候補者の有効投票中に混入していた事実は認められないし、また、開票立会人の点検中に二〇票の混入があつた事実から直ちに原告の有効投票の多数が他の候補者の有効投票中に混入している疑があるということもできない。
すなわち、本件選挙における原告の得票数は一万一、三七一票で、最下位当選人の得票数は一万三、〇七六票であつて、その間一、七〇五票の差があることは当事者間に争いがないので、原告のいう多数とはこれが差額数を上廻るものと解せられるが、右認定から考えて、一、七〇五票以上もの混入があるとはとうてい考えることはできない。
(2) 次に、原告は本件選挙の第二開票所における開票の際、開票立会人植木寛は開票管理者が無効投票と決定した中に、原告の有効投票とすべき投票三七票があるのを発見し、開票管理者に抗議してその旨を訂正せしめた事実がある、と主張するけれどもこれが事実を認めるに足る証拠はない。
(3) さらに、原告は各開票区とも投票総数と開票総数が一致しておらず、原告の有効投票が紛失している疑がある、と主張するところ、前掲乙第三号証の一ないし四によると、投票者総数に対する投票総数の差は第一開票区では一票、第二開票区では三票、第三開票区では六票、合計一〇票で、これらはいずれも持ち帰り票として処理されていることが認められ、この一〇票が、持帰り票であるかどうかの点は除いても、原告に対する有効投票であると直ちに認めることはできない。
以上の事実によるも、本件選挙の開票管理者が本件選挙の開票にあたり、投票の点検を怠たり、これに基づき選挙会が当選人を決定した違法があるものということはできない。したがつて、原告が本訴において当選無効原因として主張する点は、いずれも理由がない。
三、なお、原告は、本訴においてその主張する当選無効の原因として、原告の有効投票の多数が他の候補者の有効投票中に混入している疑があると主張し、さらに無効投票中に原告の有効投票とすべき投票三七票があると主張して、本件選挙の開票結果の無効投票中に原告の有効投票がさらに存在することを主張しようとしているものと考えられ、また原告の有効投票の紛失の疑いを主張しているけれども、いずれも、その結果原告の本件選挙における有効投票が何票であり、当選人たる他の候補者の有効投票数をどれだけ上廻るかにつき具体的に主張するところがないので、これを詳らかにすることができないが、原告の訴訟遂行の態度、ことに証拠の申出でとして、本件選挙の西宮市選挙区の全開票所における投票全部の検証を申請しているところからみると、右の投票全部の検証を施行した際に、新たな当選無効の原因となる事実を確知してこれを主張しようとするものと考えられるが、このような証拠の申出では全く主張していない事実について証拠調べを求めるものにすぎず、とうていこれを採用するに値しないのみならず、仮りに原告の有効投票が多数の候補者の有効投票に混入している点を立証しようとするものと解しても、その根拠として主張するところは原告の届出でにより定められた開票立会人が十分に点検ができなかつたというものであり、単にこれだけの事実(この点は、前記認定のように各開票立会人としては全く点検をしなかつたものではない)で、裁判所に多数(少くとも前記のとおり最下位当選人の得票数との差一、七〇五票以上)の混入を疑わせることは、その合理的な根拠を欠くものといわざるをえない。
四、したがつて、原告の本訴請求は理由がなく、失当として棄却を免がれない。
よつて、原告の本訴請求を棄却し、訴訟費用は敗訴の当事者である原告に負担させることとして、主文のように判決する。
(裁判官 浮田義男 宮崎福二 舘忠彦)