大阪高等裁判所 昭和48年(ラ)38号 決定 1973年3月20日
抗告人 田村明子(仮名)
相手方 大塚正夫(仮名)
未成年者 大塚浩(仮名) 昭四四・八・八生
主文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
抗告人は、京都家庭裁判所舞鶴支部が同庁昭和四七年(家)第一三〇号親権者変更審判事件について、昭和四八年一月二九日にした審判について抗告をした。
よつて、一件記録を調査するに、本件については原審判認定の事実が認められる。
右認定事実からすれば、抗告人と相手方との離婚の際相手方は未成年者の単独親権者に定められたものであるが、現在は未成年者に対し養母(相手方の後妻・美智子)も親権者となつており(民法八一八条二項)、実親と養親との共同親権行使の状態にあるものと解される(民法八一八条三項)。
そして親権者変更の審判は単独親権行使者が単独親権行使の状態にある場合にのみ許され、本件のような場合には許されない。
そうすると、抗告人の申立を却下した原審判は相当であるから、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人の負担とし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 増田幸次郎 裁判官 西内辰樹 道下徹)