大阪高等裁判所 昭和51年(行コ)19号 判決 1977年4月28日
控訴人 寺西明治
被控訴人 住吉税務署長 ほか一名
訴訟代理人 辻井治 清家順一 ほか二名
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人署長が控訴人に対し昭和四一年一一月一七日付でした、控訴人の昭和三九年分所得税の総所得金額を一、〇四五、四五八円とする更正処分のうち六一五、〇〇〇円を超える部分、並びに昭和四〇年分所得税の総所得金額を一、一七五、八一八円とする更正処分のうち六二〇、〇〇〇円を超える部分を取り消す。被控訴人局長が控訴人に対し昭和四三年七月二日付でした審査請求棄却の裁決を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は主文と同旨の判決を求めた。
当事者双方の主張関係は、次に訂正・付加するほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用し、原判決別紙第一第二表を本判決別紙第一第二表に変更し、証拠関係は次のとおりである。
(控訴人の主張)
一 <訂正関係省略>
二 被控訴人主張の実調率五七・六一%は、大阪市内の七業者のほか、大阪市外、京都市内及び兵庫県下の一四業者を加えた二一業者の資料(被控訴人らの昭和四六年三月二九日付第六準備書面別表)により、計算されたものであるが、控訴人は大阪市内の業者であるから、その収入原価・一般経費については、大阪市内の業者だけの資料による実調率を適用すべきものであるところ、最も所得率の高い東住吉署内の一業者(右別表6)を排除した大阪市内の六業者だけの資料(右別表1ないし5と7)によると、その平均所得率は三六・七六一六六六(6業者の所得率合計220.57÷6)したがつて、その平均収入原価・一般経費率は六三・二三八三四%となるから、控訴人の収入原価・一般経費率は六三・二三八三四%が相当である。
(証拠)<省略>
理由
当裁判所は<証拠省略>を参酌して総合的に勘案しても、控訴人の請求は、いずれも失当として棄却すべきものと判断するが、その理由は、次に訂正・付加するほかは、原判決理由記載の判断説示と同一であるから、これを引用し、原判決別紙第一第二表を本判決別紙第一第二表に変更する。
一 原判決一〇枚目表八行目から同裏二行目までを「昭和三九年中における上敷販売収入が二〇二、七四五円であることは当事者間に争いがない。」に変更する。
二 同一〇枚目裏八行目冒頭の「七・六一%」の次に「であることが認められ、右実調率は、大阪市内の同業者七名のほか、大阪市外や京都市内、兵庫県下の同業者一四名を加えた二一業者の資料によつて計算されたものであるが、畳業のような小売業の業態には、当該地域の消費者・顧客の動向等を反映した地域的特性があることは、経験則上明らかであるから、大阪市内の畳業者である控訴人の収入原価・一般経費の認定については、右実調率を適用することなく、右資料のうち、大阪市内の同業者だけの資料によつて計算した実調率を適用するのが相当であるところ、<証拠省略>によると、大阪市内の西、天王寺、大阪福島、旭、東淀川の各署内の同業者六名(東住吉署内の同業者一名の所得率(<証拠省略>)は、右六名に比べて著しく高率であるので、控え目な認定をするため、これを除外した)の平均所得率は三六・七六%(6業者の所得率合計220.57÷6)したがつて、その平均収入原価・一般経費率は六三・二四%」を挿入し、同裏一〇行目中の「五七・六一%」を「六三・二四%」に、同裏一〇行目から一一行目にかけての「二、四八九、六三五円」を「二、七三二、九三七円」に、同裏一三行目冒頭の「一、三二六、五三二円」を「一、〇八三、二三〇円」にそれぞれ変更する。
三 同一一枚目裏九行目末尾の「なる」の次に「(第二表末尾の算式(二)参照)」を挿入する。
四 同一二枚目表三行目中の「五七・六一%」を「六三・二四%」に、同表四行目から五行目にかけての「二、八一七、九五六円」を「三、〇九三、三四四円に、同表七行目冒頭の「一、五六八、一一四円」を「一、二九二、七二六円」にそれぞれ変更する。
よつて、前記判断と同旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、民訴法三八四条により、これを棄却することとし、控訴費用の負担につき同法八九条、九五条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 斎藤平伍 仲西二郎 惣脇春雄)
第一表<省略>
第二表<省略>