大阪高等裁判所 昭和55年(行コ)2号 判決 1981年10月29日
大阪府豊中市庄内西町二丁目九番二一号
控訴人
森井千代子
右訴訟代理人弁護士
永岡昇司
同
東垣内清
同
戸谷茂樹
同
河村武信
大阪府池田市城南二丁目一番八号
被控訴人
豊能税務署長
戸谷晴治
右指定代理人
片岡安夫
同
松本捷一
同
吉田周一
同
森辰夫
同
細川健一
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 控訴人
1 原判決を取消す。
2 被控訴人が控訴人に対し、昭和四五年分及び昭和四七年分の所得税について昭和四九年六月一五日付でした再更正処分及び重加算税賦課決定処分、並びに昭和四六年分の所得税について昭和五二年三月八日付でした再再更正処分及び重加算税賦課決定処分のうち、いずれも昭和四九年三月一二日付更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分の額を超える部分を取消す。
被控訴人が控訴人に対し、昭和四八年分の所得税について昭和五二年三月八日付でした更正処分及び重加算税賦課決定処分が無効であることを確認する。
3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
主文同旨
第二当事者の主張
原判決の事実摘示と同じであるから、これを引用する。
第三証拠関係
一 控訴人
1 甲第一号証を提出
2 原審証人下村年正、同森井武雄の各証言及び原審並びに当審における控訴人本人尋問の各結果を援用
3 乙第一、二号証の各一ないし三、同第三号証の一、二、同第四号証の一ないし三、同第二一号証、同第二三、二四号証、同第三〇号証、同第三三号証の成立(同第二三号証については原本の存在とも)は知らない。同第二二号証中、赤丸で囲んだ部分が控訴人の夫のサインであることは認めるが、その余の部分の成立は知らない。その余の乙号各証の成立は認める。
二 被控訴人
1 乙第一、二号証の各一ないし三、第三号証の一、二、第四号証の一ないし三、第五ないし一〇号証、第一一ないし一三号証の各一ないし五、第一四ないし一六号証、第一七ないし一九号証の各一ないし四、第二〇号証の一ないし五、第二一ないし三一号証、第三二号証の一、二、第三三、三四号証、第三五号証の一ないし三を提出
2 原審証人中島貢、同下村智恵子の各証言を援用
3 甲第一号証の成立は知らない。
理由
一 当裁判所も、原審と同様、控訴人の本訴請求は失当としてこれを棄却すべきものと判断する。
その理由は、次のとおり訂正、付加、削除等するほか、原判決の理由説示と同じであるから、これを引用する。
1 原判決六枚目裏六行目に「同第二二ないし第二四号証」とあるのを「同第二一ないし第二四号証(ただし、同第二三号証については原本の存在を含む。)」と改める。
2 同枚目裏一二行目から末行目にかけて「利息月四分の約束で」とあるのを削る。
3 同七枚目表九行目の「約束手形」の次に「(前記(1)の約束手形の書替手形)」を加える。
4 同七枚目裏四行目から同一〇枚目表二行目までを削り、同所に次のとおり加える。
「2 原審証人森井武雄の証言及び原審並びに当審における控訴人本人尋問の各結果中には、右(二)1(1)の金三〇〇万円の貸付は訴外佐藤かをるが行ったもので控訴人はその仲介をしたにすぎない旨、及び右の金六五〇万円については、控訴人は貸付の事実も利息を受領した事実もない旨の各供述部分がある。
しかし、右の各供述部分は、前記(二)1掲記の各証拠及び成立に争いのない乙第三四号証と対比して考察するといずれも採用できず、他に前記(二)1の認定を左右するに足りる証拠はない。」
5 同一〇枚目表三行目冒頭の「4」を「3」と改める。
6 同枚目表一二行目の「本件処分のうち」を削り、同所に「資産所得合算課税に関する規定に基づき、控訴人を主たる所得者、控訴人の配偶者である森井武雄を合算対象世帯員として、控訴人の昭和四五年から同四八年までの各年度に納付すべき税額を算定すると、原判決別表第二の「納付すべき税額」欄記載の各金額になるから、右各金額の範囲内でなされた本件処分中の」を加える。
7 同一一枚目表四行目の次に行を改めて次のとおり加える。
「(三) 控訴人が昭和四五年から同四八年までの各年度に納付すべき税額は前記のとおりであるところ、成立に争いのない乙第五ないし第七号証及び弁論の全趣旨によれば、控訴人の申告納税額は昭和四五年分が金一万一、七〇〇円、同四六年分が金五万七、〇〇〇円、同四七年分が金三万二、七〇〇円、同四八年分が金五万〇、三〇〇円であったことが認められ、これを覆すに足りる証拠はない。
そして、右の事実に基づき、国税通則法六八条一項により控訴人の右各年分の重加算税額を算定すると、その額は原判決別表第二の「重加算税額」欄記載の各金額となる(ただし、後記訂正後のそれ)ことが明らかである。」
8 同枚目表五行目冒頭の「(三)」を「(四)」と改め、同行目に「本件処分のうち」とあるのを「右の各金額の範囲内でなされた本件処分中の」と付加訂正する。
9 原判決別表第二の昭和四六年分の重加算税額欄に「405,600」とあるのを「405,700」と改める。
二 そうすると、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 栗山忍 裁判官 村上博巳 裁判官 川端敬治)