大判例

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大阪高等裁判所 昭和56年(ラ)20号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

(三) ところで抗告人の本件仮処分申請は、開催禁止を命じた第二仮処分決定に違反して昭和五五年六月六日から開催の相手方大谷派宗議会における、相手方五辻を宗務総長に、相手方古賀を宗議会議長にそれぞれ推挙、選出した各決議の効力ひいては右相手方らの地位の資格を争い、従つてまた資格のない相手方五辻によつて参務に選定された相手方細川ら五各についても、その参務たる資格を争い、もつて相手方七名の職務執行の停止を求めるものであるけれども、本件仮処分事件の係属中、その後の事情の変化により、昭和五五年一一月一九日開催の適法に成立した宗議会の適法、有効な決議により、改めて相手方五辻は宗議総長に、相手方古賀は宗議会議長にそれぞれ推挙、選出され、そして相手方五辻から相手方細川ら五名は参務に選定され、いずれも管長である大谷光暢によつて任命を受け、現在の地位に就任しているものであり、相手方七名の現在における地位は、昭和五五年六月六日から開催の宗議会における決議に依拠するものではなくなつている。そして右の各地位にある相手方七名がその職務の執行につき適切を欠き、相手方大谷派の宗務運営に収拾のつかない混乱を生じさせたり、あるいは同派に回復すべからざる損害を生じさせるおそれのある事情を窺うに足る資料は存しない。

そうとすると、現在においては、相手方五辻が宗務総長として、同古賀が宗議会議長として、同細川ら五名が参務としての各資格は、抗告人主張のように否定されるべきものとはいえず、一応正当な資格のある地位にあるというべきものであるから、相手方七名に対し、その職務執行の停止を求める抗告人の本件仮処分申請は、その後の事情の変化によるものではあるが、被保全権利の存在が疑わしいといわなければならないし、さらに被保全権利の点を措くとしても、この際相手方七名の職務の執行を停止しなければならない保全の必要はこれを認め難いといわなければならない。けだし、相手方七名がその地位に選任された経緯、宗派内外に格別の混乱が生じているわけでもない事情に照らし、相手方七名がその職務の執行を続けることにより相手方大谷派に特段の危険を生じさせるおそれは存しないものといわざるをえないからである。

抗告人は、本件仮処分申請は、相手方らに第一次の仮処分違反があるためこれを除去する第二次的仮処分の意味をもつから当然許容されるべきであるとか、あるいは本件仮処分が認められないときは、違法、無効のうえに違法、無効が重ねられ、宗派に回復すべからざる混乱と損害を及ぼしているとか、大谷光暢自身和解に不満があり、搓土重来を期し、決議の無効を主張しうるので、紛争の再燃が必至とるる主張するが、前示認定に照らし、理由のない独自の主張にすぎずとるをえない。

(今富滋 藤野岩雄 坂詰幸次郎)

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