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大阪高等裁判所 昭和57年(ネ)752号 判決 1986年5月21日

控訴人

澤井孝明

控訴人兼右澤井孝明法定代理人親権者

澤井芳一

澤井喜子

右三名訴訟代理人弁護士

森島忠三

岡恵一郎

丸山恵司

被控訴人

右代表者法務大臣

鈴木省吾

右指定代理人

森本翅充

外五名

被控訴人

立松昌隆

奈良県

右代表者知事

上田繁潔

浜田信夫

右両名訴訟代理人弁護士

米田泰邦

主文

本件各控訴及び控訴人らの当審で拡張した各請求をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

第一  申立

(控訴人ら)

一  原判決を取り消す。

二  被控訴人らは各自

1 控訴人澤井孝明に対し、金三八一五万九六八九円及び内金二二〇〇万四七四二円に対する昭和四七年一一月八日から、内金九一五万四九四七円に対する昭和五五年一一月二二日から、内金四〇〇万円に対する昭和五七年一一月一一日から各支払ずみまで年五分の割合による金員(金七〇〇万円及び内金四〇〇万円に対する昭和五七年一一月一一日からの遅延損害金の請求は当審において拡張した請求である)

2 控訴人澤井芳一及び同澤井喜子に対し、それぞれ金四四〇万円及び内金五〇万円に対する昭和四七年一一月八日から、内金五五〇万円に対する昭和五七年一一月一一日から各支払ずみまで年五分の割合による金員(金三九〇万円及び内金三五〇万円に対する昭和五七年一一月一一日からの遅延損害金の請求は当審において拡張した請求である)

をそれぞれ支払え。

三  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

四  仮執行宣言

(被控訴人ら)

主文同旨の判決及び担保を条件とする仮執行免脱宣言(被控訴人国、同立松)。

第二  当事者双方の主張

次のとおり付加、訂正するほかは原判決事実摘示のとおりであるからこれを引用する。

一  原判決五枚目表七行目の「、腫瘍」から同八行目の「八一〇ラッド」までを「(但し八回目はコバルト60)、六回目までは六センチメートル径の照射筒、七回目からは四センチメートル径の照射筒を用いて」と、同末行の「一六日」を「一五日」と、同裏三行目の「同日」を「同月一六日」と、同六枚目裏四行目の「血管腫」を「本件腫瘍」と、同末行から同七枚目表二行目までを「控訴人孝明は、その後機能回復訓練を続けてきたが、自力で歩行することは不可能で、車椅子の使用によつてようやく日常生活を送つている状態であり、又排便、排尿も自力では不可能で他人の介助を必要とする状態である。そしてその治療方法はなく治癒の見込もなく、将来も運動障害、知覚障害の改善は困難であつて、自力歩行も期待できず、機能回復訓練による松葉杖使用による歩行の可能性がわずかながら期待される程度である。」とそれぞれ改める。

二  原判決七枚目表三行目の前に次のとおり加える。

「3 因果関係

控訴人孝明の現症状は本件放射線治療に起因する放射線脊髄症であり、このことは次の事由から明らかである。

(一)  被控訴人浜田は、当初口径六センチメートルの照射筒を用いて照射したが、本件腫瘍の部位を考えれば、その照射野には控訴人孝明の正中線が含まれていた。又人間の背部は丸味を滞びており照射筒は皮膚表面に接して設置されるから、当然脊髄方向へ傾くこととなる。更に当初の数回は控訴人孝明に睡眠薬も投与されなかつたため同控訴人があばれて照射筒がずれることもあり、又その後は、控訴人孝明に睡眠薬を投与して眠らせ、控訴人喜子に抱かせて照射するという方法がとられたが、控訴人孝明の覚醒や控訴人喜子の小さな動きによつて照射筒が再三ずれたりした。これらのことから、本件放射線治療によつて控訴人孝明の脊髄に多量の放射線が照射された。

又被控訴人浜田の照射計画によつても、控訴人孝明の脊髄は、口径六センチメートルの照射筒による場合は、照射総線量の三〇ないし五〇パーセント領域に入つており、口径四センチメートルの照射筒による場合には、一〇ないし三〇パーセント領域に入つている。

又控訴人孝明の背部皮膚面に、一部正中線にかかる直径六センチメートル大の放射線障害が残り、右側肋骨起始部、脊髄横突起、右側椎弓、椎体に放射線の影響がみられ、骨成長阻害、骨髄解様所見構築異常像があることからも、脊髄に多量の放射線が照射されたことは明らかである。

そして被控訴人浜田の照射計画によつても昭和四五年六月九日から同年八月一一日までの期間における総脊髄線量は、二〇六二ラッド/一〇回/六四日となり現実にはこれを超え第六回目照射までに三〇〇〇ラッドの線量が控訴人孝明の脊髄に照射された。

そしてBodeu(一九四八)によれば放射線脊髄症の推定脊髄量は二〇〇〇ないし二二五〇ラッドであるから、控訴人孝明の脊髄には放射線脊髄症が発生するに充分な放射線が照射されたことになる。

(二)  控訴人孝明の現症状は、脊髄障害として、本件腫瘍が存在し、本件放射線照射がなされた部位である胸髄三番目の高さ以下の部分において、知覚、運動ともに全面的に障害されている。

(三)  控訴人孝明の症状は、当初の照射計画による照射が終了した昭和四五年八月一一日から約三か月後でありかつ照射再開後の照射が終了する同年一一月一五日ころに発現し、その後症状が進行している。そして控訴人孝明には、それまで脊髄障害を想起させる知覚、運動障害は無かつた。」

三  原判決七枚目表三行目の「3」を「4」と、同四行目から同六行目までを次のとおりそれぞれ改める。

「(一) 本件腫瘍について

①  本件腫瘍の性状

本件腫瘍は臨床的には血液嚢胞と診断されるべきものである。そして本件腫瘍は、内腔は静脈に交通しているので内圧は静脈圧と大差なく、薄い壁よりなる嚢胞であり、かつ骨性胸部の外側に存在していたから局所解剖学的関係からすれば、進行性に増大して脊柱内に進入発育して脊髄を圧迫したり、あるいは胸腔内に進入発育して心臓、大血管、気管、気管支、肺、食道等を圧迫するなどして重大な障害を起す危険性はなかつた。そして本件腫瘍内に細菌が侵入すれば、急速に重篤な感染症に発展するおそれも考えられ、又稀であるにせよ解放性ないし閉鎖性の外傷を受けて腫瘤が破れる場合には危険な状態に陥るおそれもあるというもので、それも運動や転倒によつて容易に破裂するなどというものではなかつた。結局本件腫瘍には差し迫つた危険はなかつた。

②  剔出手術の可能性

又血液嚢胞の治療は、一般には剔出手術が安全かつ確実な方法とされており、本件腫瘍は、癒着が少なく、骨性胸部の外側に存し、手術操作により重要な臓器を損傷して危険におとし入れるおそれはなく、限局性であり、四センチメートル×五センチメートル程度の大きさであるから、小児外科に熟達した外科医ならば、小児悪性腫瘍を剔出する際の通常の手術手技をもつて剔出することは可能であつた。そして手術中に嚢胞内腔に交通する静脈から出血して致命的となる危険性もなく、仮に右静脈を損傷したとしても、腫瘤は骨性胸部の外側にあるので圧迫によつて一時的に止血することができ、徐々に圧迫を解除しつつ単純結紮、縫合結紮、電気凝固などにより出血を止めることが可能であつた。このように、本件腫瘍の剔出手術は可能であり、剔出手術に伴う危険性もなかつた。

(二) 小児治療について

小児治療においては、他の方法で治療可能な良性疾患については放射線治療は行わないのが原則であり、又それは患者に対する法的義務である。何故なら、小児に対する治療は、単なる救命という以上に患者の将来に亘る長い生涯を展望した健全な成育を目的とし、それに必要な治療が委ねられており、一方、放射線照射が治療として成立するのは、その性質上、正常な組織への障害の危険性を内包しつつも、なお救命のためには已むを得ないとする比較較量であつて、これは小児治療の目的とは本質的に矛盾するからである。

このように放射線治療が小児治療の目的と矛盾すること、小児に対して放射線を照射する場合その照射総線量、一回当りの線量、照射回数等その照射方法についての安定した基準の定立が困難であること、小児は固定が困難で照射による不測の障害の危険性を伴うことなどから小児の治療を担当する医師としては、可能な限り放射線治療以外の治療を施しあるいはその機会を保障すべきである。

又仮に放射線治療が不可欠であつたとしても、小児外科、放射線科、小児科の三者が協働し一体となり、関連分野の専門的知識を相互に補完し、あるいは一体となつて治療計画を定立し、治療を施行すべきである。」

四  原判決七枚目表七行目の「(一)」を「(三)」と改め、同行の次に改行のうえ次のとおり加える。

「① 剔出手術の遂行を断念し、又その機会を失なわせたことの過失

前記のとおり本件腫瘍は血液嚢胞であつて剔出手術は可能であり手術に伴う致命的な危険性もなかつたのであるから、被控訴人立松が剔出手術を中止し断念したのは判断に誤まりがあつたものである。被控訴人立松は本件腫瘍への血液の流入流出血管を特定しえなかつた旨主張するが、血管造影によつて特定できたにもかかわらず被控訴人立松はそれもしていなかつた。

又昭和四五年五月二九日の手術の際、被控訴人立松において主観的に剔出手術が不能と判断したものであつても、同被控訴人としては、新たに本件腫瘍に類似した疾患に対する外科的治療についての情報を収集し、又人的、物的設備を補充強化して手術準備の万全を期し再手術によつて本件腫瘍を剔出することが可能であつたし、あるいは又控訴人孝明の治療を、小児外科に熟達し、小児腫瘍の治療経験の豊富な外科医に委ねることができたにもかかわらず、これを怠り控訴人孝明をして剔出手術による治療の機会を失なわせた。」

五  原判決七枚目表八行目の「①」を「②」と、同九行目冒頭から同末行の「なかつた」までを「前記のとおり本件腫瘍は血液嚢胞であつて、そのまま放置しておいても重大な障害を起こす危険性もなく、かつ剔出手術による治療が可能であり、それが正確かつ安全な治療方法であつた。又前記小児治療の特質からも他に方法のある限り放射線照射は行うべきでなかつた。しかるに被控訴人立松は、放射線治療方法を選択して控訴人孝明に右治療を受けさせた。更に」とそれぞれ改め、同裏八行目の「ありながら、」の次に「又仮に自己の専門分野でないとしても、隣接分野との協働により放射線科の専門医に助言を求めて本件の放射線治療における具体的危険性を明確にしえたにもかかわらずこれを怠り、」を加える。

六  原判決七枚目裏末行の次に改行のうえ次のとおり加える。

「③ 術前照射後の剔出手術療法を怠つた過失

仮に本件腫瘍の剔出手術が困難であつたとしても、被控訴人立松は、放射線科の専門医である被控訴人浜田との協働により治療計画を立て、本件腫瘍に少量の放射線を照射することにより病巣容積を縮少させかつ本件腫瘍を硬化させ、その後に剔出手術を行うという治療方法をとるべきであつた。現に本件腫瘍は、昭和四五年六月九日当時直径五センチメートルの大きさで浮動性のある柔らかいものであつたのが、本件放射線照射により、同月三〇日には四・五×四センチメートル大に縮少し、同年七月七日には更に小さくなつて硬くなつており、同月一四日には更に硬さを増し、同月二一日には直径二・五センチメートル大にまで縮小していたのであるから、前記方法による剔出手術は可能であつた。このような治療方法をとることにより放射線脊髄症の発生を回避しえた。しかるに控訴人立松は、右のような治療方法を検討せず、整形外科的治療を断念し、控訴人孝明に放射線治療を受けさせた。」

七  原判決八枚目表一行目の「②」を「④」と、同九行目の「③」を「⑤」と、同裏七行目の「④」を「⑥」とそれぞれ改め、同行の次に改行のうえ

「前記のとおり、本件腫瘍は血液嚢胞であつて差し迫つた危険もなく、又剔出手術も可能であつたにもかかわらず、被控訴人立松は、控訴人芳一らに対し、放射線治療が唯一残された治療方法であるかの如く誤つた説明をして、控訴人孝明をして適切な治療を受けるべき機会を失なわせた。」を、同八行目冒頭の前に「又」をそれぞれ加え、同九行目の「あるから」を「あり、かつ被控訴人立松としては放射線科の専門医との協働により本件放射線治療による放射線脊髄症の発生を具体的に予見しえたのであるから」と改める。

八  原判決九枚目表五行目の「(二)」を「(四)」と改め、同六行目の「放射」の前に「説明義務及び」を、同裏四行目の次に改行のうえ次のとおり、それぞれ加える。

「② 放射線治療に着手した過失

前記のとおり、本件腫瘍は血液嚢胞であつて、差し迫つた危険性もなく、又剔出手術も可能であり手術に伴う致命的な危険性もなく、剔出手術が正確でかつ安全な治療方法であつたし、又前記小児治療の特質からも他に方法のある限り放射線照射は行うべきでなかつた。したがつて、被控訴人浜田としては剔出手術等放射線治療以外の治療方法の可能性を独自に充分吟味し、それが不能であることを確認した後に放射線治療に着手すべきであつたにもかかわらず、同被控訴人はこれを怠り右他の治療方法の可能性について吟味することなく本件放射線治療に着手した。

③ 術前照射後の剔出手術療法を怠つた過失

仮に放射線照射を開始せざるをえなかつたとしても、被控訴人浜田は、前記(三)③のとおり被控訴人立松との協働により治療計画を立て術前照射により本件腫瘍を縮小、硬化させて剔出手術を行うとの治療方法をとるべきであつた。又本件放射線治療開始後においても、前記の如く本件腫瘍は縮小し波動性及び浮動性は消失して硬化し整形外科的治療に適する状態になつたのであるから、その時点で被控訴人立松と連絡し、放射線照射を中止して整形外科医である被控訴人立松にその治療を委ねるべきであつたにもかかわらず、被控訴人浜田は、放射線治療を開始した以上は本件腫瘍が消失するまで放射線治療を継続すべきかの如く誤信して慢然と放射線照射を継続した。」

九  原判決九枚目裏五行目の「②」を「④」と、同末行の「本件」から同一〇枚目表七行目の「されるなど」までを「前記のとおり被控訴人浜田の照射計画によつても昭和四五年六月九日から同年八月一一日までの期間における総脊髄線量は二〇六二ラッド/一〇回/六四日となり、現実にはこれを超え第六回目照射までに三〇〇〇ラッドの線量が控訴人孝明の脊髄に照射され、これは前記放射線脊髄症の推定脊髄線量二〇〇〇ないし二二五〇ラッドを超えるものであり」と、同一〇行目の「③」を「⑤」とそれぞれ改め、同裏二行目の「浜田は」の次に「、当初の数回は控訴人孝明に睡眠薬を投与せずに照射筒を患部に当てて照射したため、同控訴人があばれて照射筒が患部からはずれたことがあり、又その後は」を加え、同五行目の「つた。ところが」を「うとの方法によつたが、」と、同九行目の「④」を「⑥」とそれぞれ改める。

一〇  原判決一一枚目表六行目の「4」を「5」と、同裏五行目の「五〇〇万円」を「七〇〇万円」と、同七行目の「三〇〇万円」を「五〇〇万円」と、同九行目の「べきもの」を「七九四万三五五二円である」と、同行の「一、七九六万」を「一九九六万」と、同末行の「五〇万円」を「四〇〇万円」とそれぞれ改め、同行の次に改行のうえ、

「(六) 控訴人孝明に対する弁護士費用  三〇〇万円

(七) 控訴人芳一、同喜子に対する弁護士費用  各四〇万円」を加え、同一二枚目表四行目の「又は」を「、原審における」と改め、同五行目の「から」の前に「当審における請求の拡張申立書送達の日の翌日(昭和五七年一一月一一日)」を加える。

一一  原判決一三枚目表七行目の「(一)」を「、同4(一)、(二)、(三)」と、同八行目の「同」の次の「4」を「5」とそれぞれ改め、同裏一行目の「一五」から同三行目の「また」までを削り、同一四枚目表一行目の「(二)」を「、同4(一)、(二)、(三)」と、同二行目の「同」の次の「4」を「5」と、同一五枚目表二行目の「試験穿試」を「試験穿刺」とそれぞれ改め、同末行の「であり、」の次に「海綿状血管腫の変化したもので偽血液嚢胞とも呼ばれるがその本質は血管腫である。もつとも、血液嚢胞の一種に分類されるとしても、嚢胞というのは形態上からの慣用語であつて腫瘍の本質による分類名ではないから、あくまでも血管腫であることには変りはない。そして本件腫瘍は」を加え、同一六枚目表三行目の「一般」から同九行目の「」までを「血管腫の治療方法としては薬物療法、剔出手術、凍結療法、放射線照射療法が考えられるところ、はウレタン・キニン・高張糖液などの硬化剤を注入して腫瘍を硬化させて腫大をとめる療法であるが、その効果は不定でかつ副作用もあつて現在はほとんど用いられていない。又の剔出手術も不可能である。即ち、前記のとおり本件腫瘍の壁は極めて薄いものであり、又腫瘍と血管との大量交通のあることを示しているところ、本件腫瘍の付近には大きな静脈が存在しないことからその基底部において多数の中、小の静脈と交通しているものと考えられ、右流入流出血管は叢となつており、被控訴人立松が行つた腫瘍造影によつても右血管群が充分造影されず、静脈造影によつて交通血管を特定することはできず、極めて薄い腫瘍壁を破らないでこれら交通血管を特定して一つ一つ縛ることは不可能であり、腫瘍被膜や交通血管が破損した場合止血は困難であるし、又本件腫瘍は満二才一〇月の幼児にしては異常に大きいものであり、発生部位やその状態は従来の症例報告とは大いに異なり特異なものであつたからである。」と、同裏二行目の「」を「」とそれぞれ改める。

一二  原判決一六枚目裏七行目の次に改行のうえ

「3 術前照射による剔出手術治療について

放射線照射により本件のような深部性の巨大のう腫状血管腫が瘢痕化して容積が縮小しても、その周囲には結合組織の増殖による癒着が高度におこり、血管腫との剥離はより困難になる。又結合組織の瘢痕化により、組織自体が弾力性を失う結果非常にもろくなつて出血の可能性が高くなり、出血に際しては止血手段に難渋をきたし生命の危険を招くこととなり、その危険度は、放射線照射前よりも高度なものとなる。したがつて控訴人ら主張の前記療法は外科医学の常識に反するものである。」を加え、同八行目の「3」を「4」と改め、同一七枚目表四行目の末尾に続いて「更に、放射線療法が控訴人孝明に対して具体的に如何なる危険をもたらすかについては、被控訴人立松にとつては直接自己が担当しない将来の予測に属する事柄であつて、具体的危険を予測すべき何らの資料も持たないのであるから、これを予見する可能性もなかつた。」を加え、同五行目の「4」を「5」と、同一八枚目表四行目の「5」を「6」と、同九行目の「6」を「7」とそれぞれ改める。

一三  原判決一八枚目表五行目冒頭の前に「本件腫瘍は、嚢胞性血管腫であり、その部位、形状等については」を、同一九枚目表二行目の次に改行のうえ、

「(一) 術前照射後の剔出手術療法について

被控訴人国、同立松の主張3の記載を引用する。」

とそれぞれ加え、同三行目の「(一)」を「(二)」と、同二〇枚目表七行目の「(二)」を「(三)」とそれぞれ改め、同二一枚目表末行の末尾に続いて「本件の放射線の照射にあたり、第一回目から控訴人孝明に睡眠薬を投与していたことは原審において控訴人らが主張し当事者間に争いのなかつた事実である。」を加え、同裏一行目の「(三)」を「(四)」と、同二二枚目表一〇行目の「(四)」を「(五)」と、同二三枚目表九行目の「(五)」を「(六)」とそれぞれ改める。

一四  原判決六二枚目裏三行目中段の「〃」を「三七一ラッド」と、同四行目中段の「〃」を「五〇〇ラッド」と、同六三枚目表一行目の「二〇〇」を「五〇〇」と、同二行目中段の「右同」を「二〇〇ラッド」とそれぞれ改め、同六二枚目表から同六三枚目表までの「表面線量欄」及び同六三枚目表六行目の「総計欄」をそれぞれ削る。

第三  証拠関係<省略>

理由

一当裁判所も控訴人らの本件各請求はいずれも棄却すべきものと判断するが、その理由は次のとおり付加、訂正、削除するほかは原判決理由説示のとおりであるからこれを引用する。

1  原判決二七枚目表二行目の次に改行のうえ「一 当事者の地位及び本件事件の経過」を加え、同三行目の「第一」、同四行目の「第二」から五行目の「一ないし三、同」、同六行目の「、第九」をそれぞれ削り、同七行目の「一ないし三」を「一ないし九」と、同七、八行目の「同第五ないし第八号証」を「第一〇号証」とそれぞれ改め同九行目の「同第六号証」から同裏一行目の「第二四号証、」までをそれぞれ削り、同四行目の「一ないし」から同五行目の「三」までを「三、四」と改め、同七行目の「第一号証」の次に「の一ないし三」を、同二八枚目表二行目の「第一」の次に「、第二」をそれぞれ加え、同行の「鑑定人」から同三行目の「証言、」までを削り、同行の「原告」を「原審及び当審における控訴人」と改め、同行の「並びに」から同五行目の「二」までを削る。

2  原判決二八枚目表六行目を削り、同九行目の「鳩卵大」を「拇指大(直径約一センチメートル)」と改め、同裏五行目の「再び」の前に「同月一一日」を加え、同二九枚目表四行目の「したが」から同末行の「なかつた」までを「した。一方左上肢の挙上により腫瘍が大きくなり緊張が増すことが認められた」と、同裏三行目の「行なつた」を「行ない約五ccの内容物を吸引した」と、同五行目の「後、数秒で腫瘍は」を「により縮小した腫瘍は数秒で」とそれぞれ改め、同三〇枚目表一行目冒頭の「ル」の次に「で、形は卵円状で多房性」を加え、同三三枚目裏末行の「がけから転落」を「野外で転倒」と、同三四枚目裏八行目の「一一月」を「九月二八日」と、同三五枚目裏一行目の「現在」から末尾までを「次いで京都府長岡京市の向ケ丘養護学校に入学したが、その後南山城養護学校へ転校し同校へ通学」とそれぞれ改める。

3  原判決三六枚目表一行目の「血管腫」から末尾までを「本件腫瘍について」と改め、同行の次に改行のうえ

「1 血管腫及び血液嚢胞について

<証拠>鑑定人柄川順、同橋本省三、同澤口重徳の各鑑定の結果(以下それぞれ「柄川鑑定」「橋本鑑定」、「澤口鑑定」という)、証人坂本吉正、同柄川順の各証言、被控訴人立松昌隆、同浜田信夫(原審第一、二回)各本人尋問の結果及び弁論の全趣旨を総合すれば次の事実が認められる。」を加え、同二行目の「1」を「(一)」と改め、同裏六行目の「場合、」の次に「本件腫瘍の治療がなされた昭和四五年当時は、」を加え、同末行の「いる。」を「いたが、その後治療方法の開発により放射線療法を用いることは少なくなりつつある。」と改める。

4  原判決三六枚目裏末行の次に改行のうえ次のとおり加える。

「(二) 血液嚢胞とその治療法

血液嚢胞とは、嚢胞状病変の臨床的診断名であり、流動性の多くの場合静脈性の血液を内容とする嚢胞の総称であつて、静脈との交通の有無は問はないとされており、病理組織学的には単一の疾患ではなく種々の病変を包括したものである。そして一九六六年(昭和四一年)に村上國男らは、病理組織学の面からこれを静脈系の異常によつて発生する真正血液嚢胞とそれ以外のすべてを含めた偽血液嚢胞の二つに大別し、前者は胎生期の形成不全により、あるいは出生後の静脈病性拡張により発生するものであり、後者は腮弓嚢胞より発生するもの、血管腫より発生するもの、リンパ系の異常により発生するもの、その他のもの、そのほとんどは後天的な外傷、炎症、腫瘍より発生するものを包括するとしている。血管腫より発生するものの多くは海綿状血管腫より発生するといわれており、病理組織学的には血管腫であることから基本的には血管腫に含めるべきものといわれている。血液嚢胞はそのほとんどが頸部に発生し、他の部位に発生することは稀であり、又そのほとんどは外科的な摘出手術によつて治療されている。

2 本件腫瘍の性質について

前記一項1及び右認定の事実、<証拠>を総合すれば、本件腫瘍は臨床的診断名としては血液嚢胞ではあるが、海綿状血管腫が変化したもので病理組織学的には血管腫であり、基本的には血管腫に含めるべきものであることが認められる。

三  放射線治療と脊髄放射線症(炎)について

<証拠及び>柄川鑑定、橋本鑑定、証人柄川順の証言、被控訴人浜田信夫本人尋問の結果(原審第一、二回)及び弁論の全趣旨を総合すれば次の事実が認められる。」

5 原判決三七枚目表一行目の「2」を「1」と、同三八枚目裏八行目の「3」を「2」とそれぞれ改め、同三九枚目表三行目の「としては」の次に「一九六八年のReaganの論文により」を、同末行の「としては、」の次に「一九七四年の長瀬らの報告により」をそれぞれ加え、同四一枚目表一行目の「一九七〇年」から同二行目の「最初であり」までを「それまでに一、二の症例報告(いずれも一例報告)があつたが、一九七〇年に柄川順らが五症例に基づき詳細な報告をなし、次いで」と改め、同裏五行目の「ことに」の次に「本件放射線治療当時は、」を加え、同八行目の「いるものの」を「いたものの」と、同四二枚目表二行目冒頭から同三行目の「おらず」までを「持たず、日本においては、前記の一、二の症例報告があつたのみであり」とそれぞれ改める。

6 原判決四二枚目表八行目の「第二」を「四」と、同裏一行目の「前掲」を「柄川」と、同行の「同柄川」を「証人柄川順の」と、同四四枚目表九行目の「ところで」から同四五枚目表八行目の「結果」までを「前記一項2認定の事実、成立に争いのない丙第三〇号証の四、橋本鑑定によれば、鑑定人橋本省三は、ランドファント(女性用)を使用した線量分布図に基づき、前記照射計画による脊髄線量について、六センチメートルの照射筒によれば脊髄は三〇ないし五〇パーセント領域に入り、したがつて最大値では一五〇〇ラッド/六回/三六日照射されたことになり、又四センチメートルの照射筒によれば脊髄は一〇ないし三〇パーセント領域に入りしたがつて最大値では五六二ラッド照射されたことになり、その結果、昭和四五年八月一一日までの間には最大値では一五〇〇+五六二ラッド/一〇回/六四日、又同年一一月一二日までには最大値では二〇六二+三九〇ラッド/一五回/一六五日照射されたものと推定していることが認められ、又柄川鑑定及び証人柄川順の証言」とそれぞれ改め、同四五枚目表末行及び同四六枚目表一行目の各「鑑定」の前に「柄川」を加える。

7 原判決四八枚目表五行目の「冷凍」を「他の」と改め、同行及び同一〇行目の各「放射線」の前に「剔出手術を断念して」を、同一一行目冒頭の前に次のとおり、それぞれ加える。

「ところで澤口鑑定によれば、鑑定人澤口は、本件腫瘍が、進行性に増大して脊髄を圧迫したりあるいは胸腔内に進入して他の臓器を圧迫して重大な障害を起す可能性は考え難いとしているが、同鑑定は本件腫瘍は血液嚢胞であるが血管腫ではないことを前提としたものであり右見解を直ちには採用しえず、他方前掲乙第八、第九号証によれば、大阪大学医学部整形外科教授小野啓郎は、控訴人孝明に関する診療録、写真(レントゲン写真を含む)等を資料として本件腫瘍は嚢胞状血管腫であつて、その腫大(成長)は成長期は無論のこと成人に達しても止むことなく続く類のものと考えられる。本件血管腫の根部が胸椎周辺にあり、表在部は背筋ないし肩甲骨周囲筋と共に動いている事実から身体動作によつて破れることも危惧される。助間動、静脈との交通は確実と思われるが直接間接に脊髄血行と連なり自然経過中に脊髄循環障害を招く危険性も否定できないとしていることが認められ、又澤口鑑定によつても同鑑定人は、稀ではあるが、開放性ないし閉鎖性の外傷を受けて破れる場合には危険な状態に陥るおそれがあるとしていることが認められ、かつ」

8 原判決四八枚目裏五行目の「鳩卵」を「拇指」と、同七行目の「認められる、」を「あり、被控訴人立松が、」と、同九行目の「を生ずる」から同一〇行目の「あるから」までを「が生じたり、本件腫瘍が破裂する等の危険性が認められるとして、」と、同四九枚目表一行目冒頭から同九行目の「認められるが」までを次のとおり、それぞれ改める。「澤口鑑定及び弁論の全趣旨によれば、血液嚢胞の治療は、一般には剔出手術が安全確実な方法とされており、多くの症例も剔出手術によつて治癒していること、鑑定人澤口も本件腫瘍は、小児科に熟達した外科医なら小児悪性腫瘍を剔出する際の通常の手術手技をもつて剔出することができたであろうとしていること、右鑑定人澤口の右見解は、本件腫瘍が血液嚢胞であるが血管腫ではないことが前提となつており、かつ過去の症例報告を主要な資料としていることが認められる。しかし本件のような腫瘍の剔出手術の可能性の判断は臨床的診断名、過去の症例報告の他に腫瘍の発生部位、組織病理学的性質、その性状等を総合して判断すべきものと解するところ成立に争いのない乙第一〇号証、澤口鑑定及び弁論の全趣旨によれば、血液嚢胞はそのほとんどが頸部に発生し他の部位に発生することは稀であること、そして過去の症例報告もほとんどが頸部に発生したものであり、それ以外では眼窩部、下肢、後腹膜部、従隔洞部等に発生したものがわずかに報告されているにすぎず、又剔出手術例も右と同様であつて本件のように後背部に発生した症例報告は存在しないことが認められ、かつ前記のとおり本件腫瘍は病理組織学的には血管腫であり、血液嚢胞であつても病理組織学的には血管腫であるものは、基本的には血管腫に含めるべきとされていること等に照らせば前記澤口鑑定は直ちに採用できない。前掲乙第九号証、被控訴人立松昌隆本人尋問の結果によれば、本件のような腫瘍の剔出手術を行うには徹底した血管処理が必要とされていることが認められるところ、前記のとおり腫瘍造影によつても血液供給路(交通血管)が判明せず、又澤口鑑定及び弁論の全趣旨によれば、静脈造影によつて交通血管を明らかにすることはできないこと、又動脈造影によつて交通血管を明らかにすることは困難であるうえ安全な方法とはいえないことが認められ、又前記のとおり試験切開によつても交通血管を特定することはできなかつたものであり、更に前記のとおり、本件腫瘍は、その皮膜が極めて薄く手術中に破れる危険性も大きく、その部位、性状等過去の症例報告とは異つたものであること及び前掲乙第九号証によれば、前記小野教授は、本件腫瘍の剔出手術はなしえたかとも思われるが危険度は高く成功の見通しは必ずしも高くない旨判断していること等に照らせば、被控訴人立松が、本件腫瘍の剔出手術は不能と判断しこれを断念したことには過失はないものといわなければならない。そこで次に冷凍療法によるべきかにつき判断するに、」

9 原判決四九枚目裏八行目の「考えられない。」の次に「次にいわゆる術前照射後の剔出手術療法につき検討するに、<証拠及び>澤口鑑定及び弁論の全趣旨によれば、悪性腫瘍(癌)については、放射線照射によつて病巣を縮小させることにより切除範囲を減少させて剔出手術を行うとのいわゆる術前照射後の剔出手術療法がとられる場合があることが認められるが、他方<証拠>によれば、右療法は現在癌についてのみ行われており、本件のような血液嚢胞あるいは血管腫の治療に適応するかは定かでなく、又放射線照射により病巣付近の組織が線維化し癒着が生じ瘢痕組織と腫瘍との境界が判りにくくなり剥離が困難となることが認められ、前記のように静脈血を内容し血液の供給がなされかつ被膜の極めて薄い本件腫瘍に右治療方法が適応するものとは認められない。」を加え、同五〇枚目裏一〇行目の「患者」を「疾病」と、同五二枚目裏一行目の「立松」を「浜田」とそれぞれ改め、同五行目の「現」を削り、同五三枚目表一行目の「説明儀務」を「説明義務」と改める。

10 原判決五四枚目表一行目の「(一)」の次に「説明義務を怠り、かつ」を、同二行目の「(二)」の次に「術前照射後の剔出手術を怠つた過失、(三)」を加え、同行の「(三)」を「(四)」と、同三行目の「(四)」を「(五)」と、同行の「四」を「五」とそれぞれ改め、同五行目の「放射」の前に「説明義務違反及び」を加え、同裏一〇行目を「右説明義務違反を主張するのでこの点につき判断」と改め、同五五枚目表九行目の次に改行のうえ

「(二) 術前照射後の剔出手術を怠つた過失について

この点についての判断は前記被控訴人立松の過失の有無に関する判示のとおりであり、被控訴人浜田にもこの点についての過失は認められない。」

を加える。

11 原判決五五枚目表一〇行目の「(二)」を「(三)」と、同裏一行目の「(二)、(三)」を「(三)、(四)」とそれぞれ改め、同五六枚目表四行目の「前記」の次に「一項」を加え、「各証拠」を「<証拠及び>柄川鑑定、証人柄川順の証言、被控訴人立松昌隆、同浜田信夫(第一、二回)各本人尋問の結果及び弁論の全趣旨」と改め、同裏七行目の「あつたが」の次に「本件放射線治療当時一般に使用され、かつ本件のベータートロン照射装置に添付されていた減衰量曲線グラフ、深部等量線分布図等に基づけば」を加え、同一〇行目の「止まるよう照射筒の方向を選定し」を「止まるものとされており、それによれば、当初の一〇回の照射計画とその後の追加照射を合わせても病巣総線量六、一七一ラッド、脊髄総線量一、〇二二ラッドとなり」と、同五七枚目裏四行目の「そうして」から同末行までを「鑑定人橋本がランドファントムを使用した線量分布図に基づき、本件の照射計画では六センチメートルの照射筒では脊髄は三〇ないし五〇パーセント領域に入り、又四センチメートルの照射筒では脊髄は一〇ないし三〇パーセント領域に入り、したがつて昭和四五年一一月一九日までの脊髄総線量は最大値で二四五二ラッド/一五回/一六五日あると推定していることは前記のとおりであるが、<証拠>によれば、ランドファントムを使用して体内深部の線量を測定する方法は本件放射線治療当時は開発されておらずその後に開発されたものであり、本件放射線治療当時体内深部の線量の測定は前記の照射装置に添付された深部等量線分布図に基づいていたことが認められ、右分布図に基づけば本件においての脊髄総線量は前記のとおり一、〇二二ラッドと予測され脊髄放射線症の域値を下まわっていた。なお橋本鑑定によれば、前記鑑定人橋本の最大の推定値二、四五二ラッド/一五回/一六五日の線量でも放射線脊髄症発症の確率は一パーセント以下であることが認められる。よつて当時の医学的水準に照らせば、被控訴人浜田には本件照射計画を定立しそれに基づき放射線治療を行なつたことについて過失があつたものということはできない。」とそれぞれ改める。

12 原判決五八枚目表二行目の「前記」から同裏三行目の「ついては」までを「控訴人らは、当初の数回は控訴人孝明に睡眠薬を投与せず照射したため同控訴人があばれて照射筒が患部からはずれた旨主張するところ、右主張に沿う原審及び当審における控訴人澤井喜子本人の供述部分は、控訴人らが原審においては当初から睡眠薬が投与されていた旨主張していたこと及び前掲丙第一号証の一、被控訴人浜田信夫本人尋問の結果(原審第一回)に照らしてたやすく信用できず他に右主張事実を認めるに足る証拠はなく、前記認定のとおり、」と、同五行目の「いる事」から同八行目の「できない。」までを「いたのであり、」と、同末行の「②」を「控訴人孝明を控訴人喜子に抱かせたことにより照射野及び方向にずれが生じたか」とそれぞれ改め、同五九枚目表三行目の「右」の前に「前記認定のとおり」を加え、同一〇行目の「③」を「照射筒が患部からずれあるいは方向がずれて設定されたか否か」と改め、同裏八行目末尾に続いて「そして他に照射の具体的実施に過誤があつたとも認められない。」を加え、同末行の「(三)」を「(四)」と、同六〇枚目表九行目の「第三」を「五」とそれぞれ改める。

二以上のとおり控訴人らの本件各請求はその余の点につき判断するまでもなく理由がなくこれを棄却した原判決は相当であつて本件各控訴は理由がないから民訴法三八四条によりこれを棄却し、かつ当審において拡張した各請求も棄却することとし、控訴費用の負担については同法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官首藤武兵 裁判官寺﨑次郎 裁判官井筒宏成)

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