大阪高等裁判所 昭和58年(ネ)1108号 判決 1983年8月31日
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
一 控訴代理人は、「1 原判決を取消す。2 本件を大津地方裁判所に差し戻す。」との判決を求め、被控訴人は当審の最初になすべき口頭弁論期日に出頭しないが、陳述したものとみなされる答弁書によれば、主文と同旨の判決を求めるというものである。
二 控訴人の主張関係は、次に訂正・付加するほか、原判決の請求の原因記載のとおりであるから、これを引用する。
(訂正)
原判決三枚目表九行目の「訴外清水久雄」の次に「(以下「訴外清水」という。)」を挿入し、裏五行目の「貸金債権を」を「貸金債権の」と改め、六行目の「右債権」の次に「(以下「本件差押債権」という。)」を、七行目の「書を」の次に「訴外清水に」を、末行の「各延滞金」の次に「に相当する金額の本件差押債権」をそれぞれ挿入する。
(主張)
支払命令に対し債務者から異議の申立がなされると、民訴法四四二条一項の規定により訴の提起があつたものとみなされるが、この場合は、訴の提起がないのに、特に右法律の規定により訴の提起があつたのと同様に取扱われるにすぎないから、地方自治法九六条一項一一号にいう「訴えの提起」には該当せず、議会の議決を要しない。
理由
一 当裁判所も控訴人の訴は不適法として却下すべきものと判断するものであつて、その理由は、原判決一枚目裏七行目の「が支払命令」から八行目までを「の支払命令の申立自体は、地方自治法九六条一項一一号の「訴えの提起」に含まれないと解されるから、同条」と改めるほか、原判決理由説示(原判決一枚目裏二行目から二枚目表五行目まで)と同一であるから、これを引用する。
二 よつて、前記判断と同旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、民訴法三八四条によりこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき同法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。