大判例

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大阪高等裁判所 昭和58年(ネ)166号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

同旨裁判例として、名古屋高金沢支判昭53.1.30(本誌三六三号二〇四頁)、福岡高判昭57.1.20(本誌四六五号一一一頁)、解除を条件として明渡を命じた裁判例として、大阪地判昭55.4.25(本誌四二二号一三三頁)。

【判旨】

二次に、被控訴人の控訴人山田、同藤田裕一に対する本件不動産の明渡請求について判断する。

抵当権は、目的物の担保価値を支配する権利であつて、その使用収益に干渉する権能を有しないものではあるが、ただ、目的物の担保価値が減少する場合には、民法三九五条但書により短期賃貸借の解除が認められ、担保権と利用権との調節が図られているところ、右法条が担保権の保全として予定しているものは、担保権の価値を阻害する賃貸借契約の解除という効果を宣言するにとどまり、それ以上のものではないと解するのが相当であり、仮に解除された短期賃貸借の借主が依然として目的物を占有していても、右占有は、抵当権者ひいては競売手続における競落人に対抗することができないから、競売手続における引渡命令などの方法によつて容易に排除することができるものである。

したがつて、占有者が担保物の毀損を図るなどの特段の事情のない限り、競売手続における競落人の不動産の所有権取得の効果の発生をまつて始めて、占有者に対する明渡が認容されるものとするのが担保権と利用権との調和を計る所以であると解すべきであるから、抵当権者が右競落人の所有権取得に先立つて事前にその明渡まで求めておくことは、抵当権の効力として行き過ぎるものというほかなく、特段の事情の認められない本件においては、被控訴人の本件不動産の明渡を求める請求は失当として棄却すべきである。

(仲西二郎 長谷喜仁 下村浩蔵)

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