大阪高等裁判所 昭和58年(ラ)243号 決定
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【判旨】
記録によれば、本件物件の入札期日(昭和五八年四月一八日午前一〇時)には、香川慶信と抗告人の二名が入札したこと、入札価格は香川が九〇〇〇万円、抗告人が五一一二万円であつたこと、香川の入札書の保証の額欄の記載が欠落していたこと、執行官は香川の入札書に右保証の額欄の記載がないことのみを理由として香川の入札を無効とし、香川が提供していた買受け申出の保証を同人に返還したこと、執行官は抗告人を最高価買受申出人と定めたが、執行裁判所は同年六月九日他に適法な最高価買受申出人のあることが明らかであるとして売却不許可の決定をしたことが認められる。
そうすると、右香川の入札書は保証の額欄の記載を欠くが、入札書の必要的記載事項は民事執行規則三八条二項掲記のものに限定され、保証の額欄は入札手続運用の便宜上付加された記載事項にすぎないから、これらの付加的事項が記載されなくても入札書としての効力には影響がないものというべきである。更に抗告人は香川の入札は保証の提供がないから無効である旨主張するが、香川が買受け申出の保証を執行官に提供していたことは執行官が香川の入札を無効として保証を返還した事実により明白であるから、抗告人の右主張は理由のないことが明らかである。
(荻田健治郎 堀口武彦 渡邊雅文)