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大阪高等裁判所 昭和58年(行コ)36号 判決 1983年11月25日

控訴人(原告) 齋藤脩

被控訴人(被告) 林田悠紀夫 外二名

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者双方の求めた裁判

控訴人

原判決を取消す。

被控訴人らは京都府に対し、各自連帯して金一億九、八八三万二、〇〇〇円及びこれに対する昭和五三年七月二一日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

との判決と仮執行宣言

被控訴人ら

主文同旨の判決

第二当事者双方の主張並びに証拠関係

当事者双方の主張及び立証は、次のとおり附加するほか、原判決の事実摘示と同一であるから、これを引用する。

控訴人

特別職に属する職員の退職手当についても、「職員の退職手当に関する条例」九条一項一号が準用されるものであり、また、京都府教育委員会基本規則一七条三号(昭和三二年改正分)は府教委が懲戒権を留保したまゝ一般教職員の任免権限を教育長に外部委任している規定であるかのようであるが、右一七条三号は外部委任規定としては違憲あるいは違法として無効なものであり、蜷川虎三の指示により制定されたと推論できるものであるから、同人は刑法二四六条等の罪を犯したものであつて、退職金受領資格を欠いたものといわざるをえない。

証拠<省略>

理由

一  当裁判所も、控訴人の本訴請求は失当として棄却すべきものであると判断する。

その理由は、次のとおり一部理由を附加するほかは、原判決理由説示と同じであるから、これを引用する(但し、原判決九枚目表一行目の「本件記録に編綴された乙第一号」とあるのを「成立に争いのない乙第一号証」と変更する。)。

二  控訴人は退職条例九条一項一号が特別職に属する職員の退職にも準用されるべきであると主張しているが、蜷川虎三が同号所定の「懲戒処分又はこれに準ずる処分を受けた者」であることを控訴人において何ら主張していないものであるから、準用の有無を論ずる余地はない。

三  また、控訴人は教育委員会基本規則一七条三号は違憲あるいは違法であつて無効な規定であり、その制定は蜷川虎三の指示による旨推論されるものであることを原審での主張に加えて、同人の退職金受領資格の欠缺を主張しているが、右制定が蜷川虎三の指示によるものであることを窺わせるような証拠は全くなく、右推論は控訴人独自のものであつて採用することはできないので、右条項の有効無効を判断するまでもなく、退職金受領資格が蜷川虎三にない旨の控訴人の主張は失当である。

四  よつて、原判決は正当であり、本件控訴は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 乾達彦 緒賀恒雄 馬渕勉)

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