大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和59年(ラ)128号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

二当裁判所の判断

抗告人は、民事調停手続についても民事訴訟法の忌避に関する規定を準用すべきである旨主張する。

しかし、民事調停法には調停主任裁判官の忌避に関する規定はなく、同法二二条により準用される非訟事件手続法は、その五条において裁判所職員の除斥に関する民事訴訟法の規定を準用する(したがつて、調停事件の当事者が民事訴訟法三六条に基づいて除斥の申立てをすることにより、調停主任裁判官が職務の執行から除斥されることはありうるし、回避についても準用されると解される。)けれども、忌避に関する規定についてはこれを準用していない。明文上そうであるばかりでなく、これを実質的に見ても、民事調停制度の目的、機能に照らし、調停手続の公正を保障するためには民事訴訟法の除斥に関する規定を準用することをもつて足りるとしたことが不合理であるとは解しえない。又、民事調停制度の存在理由から判断しても、あえて忌避の規定まで準用しなかつたことが調停に関する国民の権利の保障に欠けると解することもできない。したがつて、民事調停手続において当事者が調停主任裁判官の忌避を申し立てることは許されないものと解すべきであり、本件忌避の申立ては不適法として却下を免れないものである。

よつて、原決定は相当であり、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。

(村上明雄 堀口武彦 安倍嘉人)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!