大判例

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大阪高等裁判所 昭和59年(ラ)290号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一件記録によると、相手方は昭和五八年三月一〇日、抗告人から、一〇万円を、利息を含め毎月一万四五七〇円宛一〇回払の約定で借り受けたが、当時相手方は、いわゆるサラ金業者から累計一〇〇万円を超える借金をし、他方その頃まではホステスとして稼働し、月収約一五万円であつたのに、抗告人の従業員に対し、他社からの借金は総計六四万円であり、自己の月収は三〇万円である旨の虚偽の事実を述べて、抗告人から右借入をしたことが認められる。

しかしながら破産法三六六条ノ九第二号に規定する免責不許可事由は、破産者が破産宣告前一年内に、破産の原因たる事実があるに拘らずその事実がないことを信じさせるため詐術を用い、信用取引により財産を取得したことを要し、単に借財をするに当つて、収入や他からの借金の金額を偽つたのみで、ただちに右破産法の条項に該当するものとはいい難いところ、一件記録によれば、相手方は、抗告人から右借入をする当時、すでに他のサラ金業者から一〇〇万円を超える借金をし、その弁済に苦慮していたものの、ホステスをして収入を得ており、他に母子手当の支給が四か月に一回一五万円程あり、勤務先の客に対する未収金も三〇万円程あつて、借入金返済のめどがなかつたものともいい難く、事実抗告人に対する右借入金の返済も、その後二回まで履行しており、ただサラ金業者の厳しい取立にあつて、勤務の継続が困難となり、その後の同年七月二〇日、本件自己破産申立のやむなきに至つたもので、抗告人も相手方の借入金に関する前記陳述を必ずしも額面どおりに信用したものでもないことが認められることに徴すると、相手方に前記認定のような虚偽の陳述があつたからといつて、これをもつてただちに破産法三六六条ノ九第二号に該当する事実があつたものとはいい難く、他にこれを認めうべき証拠はない。

(小林定人 坂上弘 小林茂雄)

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