大阪高等裁判所 昭和59年(行コ)35号 判決 1984年12月07日
兵庫県西宮市段上町六丁目六-二-一〇二
控訴人
小谷弘春
同所
控訴人
小谷桂子
同県同市江上町三番三五号
被控訴人
西宮税務署長
横田光夫
右指定代理人
浦野正幸
速水彰
北山忠男
向山義夫
岸川信義
主文
一 本件各控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実
控訴人らは「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人らに対し昭和五七年九月一六日付でした昭和五六年分所得税の各更正処分及び各過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。訴訟費用は一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文同旨の判決を求めた。
当事者双方の主張および証拠関係は、控訴人らにおいて「被控訴人がした本件更正処分は、控訴人らの家族構成、国の住宅政策をすべて無視したため、租税特別措置法施行令二三条一項にいう『その居住の用に供している家屋を二以上有する場合』の解釈を誤っているか、仮にそうでないとすれば右施行令自体が憲法二五条一項、二二条一項に反しているからこれを適用すべきでないにもかかわらず適用した違法がある。また、本件課税にさいしては不動産取得税の課税標準の特例(地方税法七三条の一四第一項、同令附則三七条の一六第一項(一))、固定資産税の減額(同法附則一六条二項、同令附則一二条二項イ)、住宅金融公庫融資基準(住宅金融公庫法二四条)、第四期住宅建設五ヵ年計画(昭和五六年三月二七日閣議決定)等の取扱いを参考にすべきである。」と述べ、被控訴人において「右主張を争う。」と述べたほかは原判決事実摘示と同一(ただし、原判決三枚目裏八行目の「傾め」を「斜め」と訂正する。)であるからこれをここに引用する。
理由
当裁判所も控訴人らの本訴請求はいずれも失当であると認めるものであって、その理由とするところは左のとおり附加するほかは原判決理由説示と同一であるからこれをここに引用する。
控訴人らが当審において主張するところは、要するに、名を憲法違反等に藉りて、本件物件の譲渡につき租税特別措置法三五条所定の譲渡所得の特別控除をすべき旨主張しているにすぎないところ、右主張が失当であることは原判決が説示するとおりである。控訴人らの前記当審での主張は独自の見解というほかなく、採用することができない。
よって、控訴人らの各請求を棄却した原判決は相当で、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法九五条、九三条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 今富滋 裁判官 畑郁夫 裁判官 亀岡幹雄)