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大阪高等裁判所 昭和61年(行コ)53号 判決 1988年3月31日

東大阪市御廚南二丁目一番四五号

富士ビル三〇一号

控訴人

前田寛

右訴訟代理人弁護士

香川公一

東大阪市永和二丁目三番八号

被控訴人

東大阪税務署長

中野肇治

右指定代理人

梶山雅之

大崎直之

石田一郎

西峰邦男

幸田数徳

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決を取消す。

2  被控訴人が、昭和五六年一二月一日付で控訴人の同五三年分ないし同五五年分の所得税についてした更正処分及び過少申告加算税の賦課決定を取消す。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

注文同旨

第二当事者の主張及び証拠

当事者双方の主張及び証拠の関係は、次のとおり補正するほかは、原判決の事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決二枚目裏末行の「後記」の次に「3(二)」を付加する。

二  同五枚目表二行目の「事実専従者」を「事業専従者」と訂正し、四行目末尾に「被控訴人は、実額での調査ができたのに、これをせず、一方的に推計により事業所得金額を算定したものである。」を付加し、末行の「欄に」を「欄に、」と訂正する。

三  同五枚目裏一二行目の「記録中の」の次に「原審判及び当審の」を付加する。

理由

一  当裁判所も、控訴人の被控訴人に対する本訴請求は、失当としてこれを棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決の理由説示のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決六枚目表六行目の「除く。)」の次に「並びに訴訟人本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)とこれによつて真正に成立したと認める甲第一四号証」を付加する。

2  同七枚目裏八行目の「証言」の次に「及び控訴人本人の供述」を、同行末尾に「前掲各証拠に照らし」を付加する。

3  同九枚目表一行目末尾に「右認定に反する甲第四号証の一ないし五、一五ないし一九、二二ないし二四、二七、二八、三〇ないし三四(右各書証は、いずれも、証人前田幸子の証言によつて真正に成立したと認められる。)中の記載部分、証人前田幸子の証言及び控訴人本人の供述、前掲各証拠に照らし措信できない。」を、末行末尾に「右認定に反する甲第五号証の一ないし六、九ないし一一、一五ないし一八、三二(右各書証は、いずれも、証人前田幸子の証言によつて真正に成立したと認められる。)中の記載部分、証人前田幸子の証言及び控訴人本人の供述は、前掲各証拠に照らし措信できない。」を付加する。

4  同九枚目裏一〇行目末尾に「右認定に反する甲第六号証の二八、二九、(右各書証は、いずれも証人前田幸子の証言によつて真正に成立したと認められる。)中の記載部分及び控訴人本人の供述は、前掲各証拠に照らし措信できない。」を付加する。

5  同一〇枚目裏一〇行目の「の証言の一部」を「(後記措信しない部分を除く。)、同三宅修の各証言及び控訴人本人尋問の結果(後記措信しない部分を除く。)」と、一一行目の「係争年」を「係争各年」と各訂正する。

6  同一一枚目表一行目の「受けていたこと」の次に「(なお、控訴人は、前田幸子は、右報酬として、昭和五三年から同五五年一月までは月額一万三〇〇〇円、同二月以降は月額一万五〇〇〇円をうけていたにすぎないもので、現実には、小林ます子が、前田幸子に交付すべき右各報酬を、控訴人の長女前田雅美名義の甲第一五号証の一ないし四の各預金通帳を作りこれに預け入れて保管していた旨供述し、右預金通帳には控訴人の供述に副う金員の預入の記載のされていることが認められる。とかしながら、右各預入にかかる金員が、小林ます子から前田幸子に対して支払われた管理人報酬であることを裏付ける資料は、控訴人の供述のみであつて、他にこれを根拠付けるに足りる客観的な資料はないこと、右各預金通帳の預入名義人は、前田幸子ではなく前田雅美とされていることを及び右各預金通帳には、控訴人の供述にかかる報酬以外の預入の趣旨が明確ではない入金が、かなり多く記載されていることなどに鑑みれば、控訴人の前記供述は措信することができない。)」を付加し、四行目から五行目にかけての「これに反する右証言の一部は採用できない。」を「右認定に反する証人前田幸子の証言及び控訴人本人の供述は、前掲各証拠に照らし措信できない。」と訂正する。

7  同一一枚目裏四行目の「主張するが、」を「主張し、かつその旨供述するが、」と訂正し、一一行目冒頭の「九」の次に「(但し、甲第七号証の一一、一二の記載中後記措信しない部分を除く。)」を付加し、末行の「認められる。」を「認められ、右認定に反する証人前田幸子の証言及び控訴人本人の供述は、前掲各証拠及び以下の各説示に照らし措信できず、他に控訴人の前記主張を認めるに足りる証拠はない。」と訂正する。

8  同一二枚目表四行目の「(現金出納帳)」を「(当座預金帳)や甲第一一号証の一二(現金出納帳)」と、六行目の「認めがたい。」を「認めがたく、前掲甲第七号証の一一、一二のうち右一万一〇〇〇円に関する記載部分及び第一一号証の一にいのうちその郵便料に関する記載部分は措信できない。」と各訂正する。

9  同一四枚目裏二行目の「七月」を「昭和五三年七月」と、七行目の「三月」を「昭和五四年三月」と各訂正する。

10  同一五枚目表五行目の「賃借料」の次に「(家賃)」を、七行目の「直前の」の次に「(すなわち、甲第一二号証の一七中の右金額記載欄よりも一行上段の)」を各付加する。

11  同一六枚目表六行目の「一〇月」を「昭和五四年一〇月」と、一二行目の「一、二月」を「昭和五五年一、二月」と、末行の「二月」を「同年二月」と各訂正する。

12  同一六枚目裏六行目の「一月」を「昭和五五年一月」と、七行目の「三月」を「同年三月」と各訂正する。

13  同一七枚目表四行目の「六月」を「昭和五五年六月」と、七行目の「一〇月末」を「一〇月二九日」と、九行目から一〇行目にかけての「と収入金額欄には計と六〇万円との」を「には「計」の、収入金額蘭には「六〇万円」の」と、一一行目の「一〇月」を「昭和五五年一〇月」と各訂正する。

14  同一七枚目裏四行目冒頭から一一行目末尾までを「右別表8記載のうち昭和五四年五月一日借入れにかかる五〇万円の借入れ先のおばあちやんとは控訴人の実母前田光枝を指し、控訴人は光枝から右以外にも営業資金を借入れたり、同五三年三月ないし六月や同五五年五月などに生活費の不足分を借入れていた旨証言あるいは供述し、かつ、控訴人は、光枝に資力があつたことを示す証拠として同人名義の普通預金通帳(甲第一六、第一七号証)を提出している。しかしながら、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二七号証によれば、前田光枝は、昭和五三年ないし同五五年当時、控訴人の弟である前田清の扶養家族とされていたこと、そして、右普通預金通帳には同五四年五月一日前後における同人の普通預金及び定期預金の合計預金額は一五ないし二〇万円程度である旨の記載がされているのみで、そのころ五〇万円の預金の払戻がされた旨の記載もないことが明らかであり、右普通預金通帳によつては同人が同月一日当時五〇万円もの金員を所持していたことを推認するに足りないことなどに照らすと、その当時控訴人が光枝から五〇万円を借り入れた旨の前記証人前田幸子の証言及び控訴人の供述は措信しがたい。」と訂正する。

二  よつて、控訴人の被控訴人に対する本訴各請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は埋由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき行訴法七条、民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 萩田健治郎 裁判官 渡部雄策 裁判官 井上繁規)

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