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大阪高等裁判所 昭和62年(行コ)34号 判決 1988年5月21日

大阪府豊中市中桜塚三丁目二番三〇号

控訴人

寺田昌義

右訴訟代理人弁護士

岩崎昭徳

大阪市西淀川区野里三丁目三番三号

被控訴人

西淀川税務署長

北山忠男

右指定代理人

松本佳典

石田一郎

寺田裕

林俊生

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一申立

一  控訴人

1  原判決を取消す。

2  控訴人の昭和五六年分ないし同五八年分所得税についての各更正の請求に対し、被控訴人が昭和五九年一二月一九日になした、更正すべき理由がない旨の各通知処分を取消す。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文同旨

第二主張及び証拠関係

次のように訂正、付加するほか原判決の事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決七枚目裏一二行目の「本件」を「原、当審の訴訟」に訂正する。

二  控訴人の主張

大阪国税不服審判所より送り返されてきた小包は、印刷工場関係の控訴人宛てのものと、喫茶ペルケ関係の寺田正子(控訴人の妻)宛てのものと二個あつた。

ところで、本件裁決書謄本は、この二個の小包のうちのどちらかに入つていたが、そのうちのどれに入つていたかは不明である。もし寺田正子宛ての小包の中に入つていたとすれば、本件裁決書謄本は、昭和六一年四月二五日適法に控訴人に送達されたとはいえない。

理由

当裁判所の認定判断は、次のように訂正、付加するほか原判決の理由説示のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決八枚目表四行目の「調査嘱託」から五行目の「証言」までを「原審証人寺田正子、当審証人宇田吉広、同森俊三の各証言」に、一一行目の「原告」から一二行目の「審判所」までを「担当の係員である大阪国税不服審判所管理課管理係宇田吉広において、控訴人が証拠書類として同審判所」に、裏一行目の「入れられ、」から二行目の「として、」までを「納め、その表に後記ゴム印を押捺し、郵便物の発送を担当している同審判所総務課に引渡され、同課において、控訴人宛ての書留小包郵便物として発送し、」にそれぞれ改める。

二  同八枚目裏九行目の「られ、」の次に「原審証人寺田正子、当審証人森俊三の各証言中右認定に反する部分は、前掲他の証拠と比較して措信し難く、他に」を付加する。

三  同九枚目裏四行目の「あり、」を「ある。もつとも、裁決を記載した書類が当事者の住所に送達され、社会通念上裁決のあつたことを審査請求者の知りうべき状態におかれたときは、反証のない限りその裁決のあつたことを知つたものと推定することができる。」に改める。

よつて、控訴人の訴えを却下した原判決は正当であつて、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 今中道信 裁判官 仲江利政 裁判官 佐々木茂美)

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