大阪高等裁判所 昭和63年(ネ)641号 判決 1988年9月28日
主文
一 原判決主文1、2項中被控訴人森島トシ子に関する部分を次の通り変更する。
控訴人は、被控訴人森島トモ子に対し金二一六万二一四四円及びこれに対する昭和六一年一月一四日から右支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。
被控訴人森島トシ子のその余の請求を棄却する。
二 被控訴人森島裕理、同小宮春美及び同小板夏美に対する控訴はいずれも棄却する。
三 第一審訴訟費用はこれを四分し、その三を被控訴人らの、その余を控訴人の各負担とし、控訴費用はこれを八分し、その七を控訴人の、その余を被控訴人森島トシ子の各負担とする。
事実
控訴人は、「原判決中控訴人敗訴の部分を取消す。被控訴人らの請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴人らは、「控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。
当事者双方の主張は、控訴人において、「本件控訴を棄却する。被控訴人森島トシ子が将来支給を受くべき遺族共済年金を同被控訴人の損害額から控除すべきものではないとした原判決の見解は不当であり、また原判決の認容した移籍料額はいずれも高きに失するものである。なお被控訴人森島トシ子は、昭和六三年の二月と六月に各金三七万二三五〇円の遺族共済年金を受領した。」と陳べ、被控訴人森島トシ子において、「控訴人主張の遺族共済年金を受領したことは認める。」と述べたほかは、原判決の事実摘示と同一であるから、これを引用する(但し、原判決七枚目表五行目の「東側東線」を「東側車線」と改める。)。
証拠関係については、原審訴訟記録中の書証目録、証人等目録及び当審訴訟記録中の書証目録各記載の通りであるから、これを引用する。
理由
当裁判所は、被控訴人森島トシ子の本訴請求は、控訴人に対し金二一六万二一四四円の損害賠償金(原判決認容額からその後受領した遺族共済年金を控除した額)及びこれに対する昭和六一年一月一四日以降その完済に至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、その余の被控訴人らの請求は、控訴人に対しそれぞれ金一六四万四四三二円の損害賠償金及びこれに対する右同日以降その完済に至るまで右割合による遅延損害金の支払を求める限度で、それぞれ理由があり、その余の請求はいずれも理由がないものと考える。その理由は、次の通り改めるほかは、原判決の説示する理由と同一であるから、これを引用する。
原判決一二枚目裏四行目から同五行目にかけての「第一三、」及び同五行目の「、第二九(原本の存在とも)」を削除し、同六行目の「一号証」の次に「、原本の存在・成立ともに争いのない甲第一三、第二九号証」を加え、同一八枚目裏六行目の「合計二四六万六四五一円」を「合計三二一万一一五一円」と、同一九枚目裏七行目から同八行目にかけての「金二九〇万六八四四円」を「金二一六万二一四四円」と、それぞれ改める。
よって、原判決中、一部結論を異にする被控訴人森島トシ子に関する部分を右の趣旨の下に変更し、その余の被控訴人らに関する部分はいずれも正当であってこの部分に対する控訴人の各控訴は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第九二条、第九三条を各適用して、主文の通り判決する。