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大阪高等裁判所 昭和63年(ラ)567号 決定 1988年11月18日

抗告人 小林克己 外1名

事件本人 小林隆一 外1名

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人らの負担とする。

理由

一  本件抗告の趣旨と理由は別紙記載のとおりである。

二  当裁判所も、本件特別養子縁組の申立ては棄却すべきものであると判断する。その理由は原決定説示のとおりであるから、これを引用する。

特別養子縁組は「父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるとき」に成立させることができるところ(民法817条の7)、一件記録によれば、原決定説示のとおり、事件本人の隆一は養父の抗告人克己と実母の抗告人友子によつて健全に育成され、適切に監護されていることが認められ、右法条に示されたような事情は何ら発見できないし、また、事件本人隆一とその実父である事件本人山田弘との親子関係を断絶し、戸籍上の特別措置を採らなければならないような事情も認められない。

抗告人らは、事件本人隆一を抗告人克己の実子として今後一生涯共に生活していくため特別養子縁組を成立させたいと主張するが、同抗告人はすでに隆一を養子とし、慈んで養育し共に生活しているのであつて、本件の場合、隆一の健全な育成をはかり、確固たる親子関係を形成するについて普通養子では不十分であるとの事情は認められない。

そのほか、一件記録を調べてみても、原決定を取り消すに足りる違法の点はみあたらない。

三  したがつて、原決定は相当であつて、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 上田次郎 裁判官 川鍋正隆 若林諒)

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