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奈良地方裁判所 昭和34年(ワ)23号 判決 1959年6月18日

主文

本件訴は却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告は「被告に対し金一三万円を支払え。昭和二年一〇月二四日頃原告に対してなされた準禁治産宣告を取消す。」との判決を求め、その請求原因として、原告は昭和二年一〇月二四日頃準禁治産宣告をうけた者であるが、その後の昭和三二年七月一日準禁治産宣告取消申立を奈良家庭裁判所になしたが訴訟能力がないとの理由で却下され、二審でも抗告期間経過後であるとの理由で却下され、更に最高裁判所でも抗告権なしとの理由で却下されるに至り、為に名誉を毀損され、準禁治産者であるに因り他人に田畑山林を只で取られたり著しい不利益を蒙り多額の訴訟費用を費つたので損害額の内金一二万五千円並びに係裁判官の忌避申立事件の訴訟費用等に費つた金五千円、合計金一三万円を本訴において請求する。更に原告は高等科に法律科に文学科に学び「徳に導の栞」の著書もあり、弁護士にも依頼せず独立して訴訟行為を続けてきた程であるから準禁治産者となしおかれる理由なく、その取消を求める。なお、本訴提起について保佐人の同意は得られなかつたしかし憲法により準禁治産者と雖も保佐人の同意なくして訴を起せると考える、と述べた。被告は主文同旨の判決を求め、答弁として、原告は昭和二年一〇月二四日準禁治産の宣告を受けた者であるところ、本件訴には保佐人の同意がなく不適法であるから却下を求めると述べ、乙第一号証を提出した。

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