宇都宮家庭裁判所栃木支部 平成6年(少)323号
主文
少年を初等少年院に送致する。
理由
(非行事実)
少年は、Aと共謀の上、平成6年4月17日午前2時ころ、栃木県小山市○○××番地×所在のアパート「○○」南側駐車場において、B所有の自動2輪車1台(時価約30万円相当)を窃取したものである。
(法令の適用)
刑法235条、60条
(処遇の理由)
本件非行は単純なバイク盗であるが、その当時少年は不良グループと交際し、バイクの無免許運転、夜遊び、不登校等が顕著に見られ、母親や教師にも反抗して、その指導に従う気配はなかった。その後、少年宅は不良グループの溜まり場となり、シンナー吸引も始まり、本件調査後もそれが続き、平成6年11月に第1回審判期日が指定されたころからその行状はやや改善の兆しを見せはじめたものの、学校への不登校、夜遊び等は相変わらず続いていた。そこで、少年を試験観察に付したが、その期間中も週に2、3日昼頃から登校するものの真剣に授業を受けようとはせず(少年は一貫して高校進学を望んでいた。)、却って、数名の級友に暴力を振るうなどしたため、教師もその指導の限界を越えると訴えるに至った。また、夜遊び、外泊等も止まなかった。そこで、観護措置をとり、心身鑑別を行うとともに、学校との協議を重ねたが、鑑別所における少年の態度には大きな変化はなく、その為、学校側の意見は変わらず、また、母親も少年の指導に疲れ果て、自信を失っている状況にある。
加えて、少年は、3回の審判を通じて、自らに不利な事柄は殆ど否定し、あるいは極く一部のみを認める態度を示しており、このことは、鑑別結果にも現れている、「自分に非が有る場合でも、それを認めず、言い訳をしたり、自分の言い分に固執する」という性向が顕著であることを裏付けていると思われ、その他、進学したいという自らの希望は強く主張するものの、そのための教師や母親らの指導に従う気配は今なお極めて乏しい。
以上の点からすると、本少年に対しては、もはや在宅での保護処分は相当とは思われない。
ただし、少年は、本年3月で中学校を卒業する予定であり、今なお定時制高校への進学を希望していることもあるうえ、上記のような問題点はあるものの、それが直ちに重大な非行となって現れるとは思われないことや、本件事案の内容も考え合わせると、その施設内教育は、卒業時に合わせて、特修短期処遇を選択するのが相当と考えるので、その旨勧告する。
その他の点については、家庭裁判所調査官の平成7年1月18日付け意見書のとおりであるから、これを引用する。
よって、少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項を適用して、少年を初等少年院に送致することとし、主文のとおり決定する。
(裁判官 須藤繁)