大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

山口地方裁判所 昭和58年(わ)148号 判決 1983年12月22日

裁判所書記官

松本定二

本店の所在地

山口県豊浦郡豊田町大字中村五八二番地の一

有限会社豊田新建材センター

代表者の住居

同町大字西市五八番地の一

代表者の氏名

豊田喜郎

本籍ならびに住居

同町大字西市五八番地の一

会社役員

豊田京子

昭和七年一一月一七日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官猪狩俊郎出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人会社を罰金一、五〇〇万円に、被告人豊田京子を懲役一年に、それぞれ処する。

被告人豊田京子に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は、その二分の一ずつを各被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社豊田新建材センターは、山口県豊浦郡豊田町大字中村五八二番地の一に本店を置き、建築材料の販売及び製材業を営んでいる者、被告人豊田京子は、同会社の経理担当取締役としてその経理事務全般を統括している者であるが、被告人豊田京子は、被告人会社代表取締役豊田喜郎と共謀の上、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、収入金、棚卸を一部除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和五四年八月一日から同五五年七月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額が七、五九五万五、三四一円で、これに対する法人税額が二、九三二万九、九〇〇円であるのにかかわらず、同年九月三〇日下関市山の口町一番一八号所在の所轄下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七五五万二、三九五円で、これに対する法人税額が二〇〇万八、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度の法人税二、七三二万一、一〇〇円を免れ

第二  同五五年八月一日から同五六年七月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額が二、五一一万六、九八九円で、これに対する法人税額が九四〇万七、九〇〇円であるのにかかわらず、同年九月三〇日前記下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、〇四二万一、四六三円で、これに対する法人税額が三二三万六、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度の法人税六一七万一、九〇〇円を免れ

第三  同五六年八月一日から同五七年七月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が四、〇九一万二、四七二円で、これに対する法人税額が一、六〇九万二、四〇〇円であるのにかかわらず、同年九月三〇日前記下関税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二九六万八一八円で、これに対する法人税額が七五万七、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度の法人税一、五三三万五、〇〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告人および被告人会社代表者の当公判廷における各供述

一  被告人および被告人会社代表者の検察官および大蔵事務官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書

一  大蔵事務官各作成の調査書(一四通)

一  大蔵事務官作成の調査実績報告書(二通)

一  下関税務署長作成の青色申告の承認の取消通知書(謄本)

一  豊田省三の検察官および大蔵事務官に対する各供述調書

一  検察官および検察事務官各作成の報告書

一  大蔵事務官作成の領置てん末書

一  押収してある法人税決議書一綴(昭和五八年押第六五号の一)

(法令の適用)

判示第一の所為

昭和五六年法律五四号による改正前の法人税法一五九条、一六四条一項(被告人豊田京子につき、さらに刑法六〇条)

(被告人豊田京子につき懲役刑選択)

判示第二、第三の各所為

法人税法一五九条、一六四条一項(被告人豊田京子につき、さらに刑法六〇条)(被告人豊田京子につき懲役刑選択)

併合罪加重

刑法四五条前段、四八条二項(被告人会社につき)、四七条本文、一〇条(被告人豊田京子につき、犯情の最も重い判示第一の罪の刑に加重)

執行猶予

刑法二五条一項

訴訟費用

刑事訴訟法一八一条一項本文

(裁判官 七澤章)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例