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岐阜地方裁判所 昭和52年(わ)92号 判決 1977年6月24日

本籍

岐阜県郡上郡八幡町郡比八八九番地

住居

同県同郡八幡町島谷一、四六九番地の一

職業

山林業兼貸金業

山田五佐太郎

明治四三年五月一日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官宇野博出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役八月及び罰金六〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、岐阜県郡上郡八幡町島谷一、四六九番地において貸金業及び山林業を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、利息収入及び山林等の売買益の全部又は一部を除外する等の不正行為により所得の一部を秘匿したうえ、

一  昭和四八年分の実際の所得金額が二、四二一万〇一一六円で、これに対する所得税額が一、一〇六万九二〇〇円であるのに、同四九年三月一五日、所轄の関市川間町二番地所在の関税務署において、同署長に対し、同年分の所得はなかつた旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、よつて、昭和四八年分の所得税一、一〇六万九、二〇〇円を免れ

二、昭和四九年分の実際の所得金額が二、二九五万二、七一九円で、これに対する所得税額が一、四九二万二〇〇円であるのに、同五〇年三月一五日、所轄の前記税務署において、同署長に対し、所得金額が一、〇九七万三、一二〇円で、これに対する所得税額が三六一万三、六〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、よつて、昭和四九年分の所得税一、一三〇万六、六〇〇円を免れ

三、昭和五〇年分の実際の所得金額が三、二四四万二、〇五六円で、これに対する所得税額が一、三三一万八、〇〇〇円であるのに、同五一年三月一五日、所轄の前記税務署において、同署長に対し、所得金額が四六〇万円で、これに対する所得税額が三五万三、〇〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、よつて、昭和五〇年分の所得税一、二九六万五、〇〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書及び大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、大蔵事務官作成の昭和五一年一一月二九日付、同年一二月四日付(三通)、同月一五日付、昭和五二年一月一七日付各調査報告書

一、渡辺美和、岡本繁の大蔵事務官に対する各供述調書

一、和田明作成の上申書

判示第一 第一、二の各事実につき

一、森捨吉の大蔵事務官に対する供述調書

判示第一の事実につき

一、大蔵事務官作成の昭和四八年度所得税確定申告書添付の証明書

判示第二、三の各事実につき

一、大蔵事務官作成の昭和五一年一二月一〇日付調査報告書

判示第二の事実につき

一、大蔵事務官作成の昭和四九年度所得税確定申告書添付の証明書

判示第三の事実につき

一、大蔵事務官作成の昭和五〇年度所得税確定申告書添付の証明書

(法令の適用)

一、判示各所為につき 所得税法二三八条一項、二項

一、(刑の併科) 懲役刑、罰金刑を併科

一、(併合加重) 刑法四五条前段、懲役刑につき四七条、一〇条(最も犯情の重い判示第三の罪の刑に加重)、罰金刑につき刑法四八条二項

一、(労役場の留置) 刑法一八条

一、(刑の執行猶予) 同法二五条一項

よつて注文のとおり判決する。

(裁判官 北島佐一郎)

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