岐阜地方裁判所 昭和54年(わ)113号 判決
判決主文
被告人五藤滋郎を懲役一〇月及び罰金一〇〇〇万円に、同五藤志郎、同五藤紘郎をいずれも懲役六月及び罰金五〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間各被告人を労役場に留置する。
各被告人に対し、この裁判の確定した日から二年間右各懲役刑の執行を猶予する。
罪となるべき事実の要旨
被告人五藤滋郎、同五藤志郎、同五藤紘郎は兄弟の間柄であり、岐阜県羽島郡笠松町県町二三番地において、五藤歯科医院の名称で歯科の診療を共同で営み、その収益を右五藤滋郎がその四五パーセントを、同五藤志郎がその二八パーセントを、同五藤紘郎がその二七パーセントを配分取得する旨定め、右割合に従つて収益を配分していたが、被告人三名は共謀のうえ、所得税を免れようと企て、自費診療収入の一部を除外するなどして得た利益を、右割合に従つて各被告人に配分し、無記名貸付信託を取得するなどしてこれを秘匿したうえ、
第一 被告人五藤滋郎分に関し、
一、昭和五〇年分の実際の総所得金額が三〇五二万五五五五円であり、これに対する所得税額が一一二七万七六〇〇円であるのに、昭和五一年三月一三日岐阜市加納清水町四丁目二二番地の二所在岐阜南税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一二五二万八四二〇円であり、これに対する所得税額が二〇三万五五〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額九二四万二一〇〇円を免れ、
二、昭和五一年分の実際の総所得金額が三五二五万三六七一円であり、これに対する所得税額が一三九五万八七〇〇円であるのに、昭和五二年三月一四日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一四四四万六五三八円であり、これに対する所得税額が二七七万七一〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額一一一八万一六〇〇円を免れ
三、昭和五二年分の実際の総所得金額が四〇七九万六八一三円であり、これに対する所得税額が一七一八万七七〇〇円であるのに、昭和五三年三月一五日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一七〇二万九六二三円であり、これに対する所得税額が三九〇万三八〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額一三二八万三九〇〇円を免れ、
第二 被告人五藤志郎分に関し、
一、昭和五〇年分の実際の総所得金額が一八八八万三四八三円であり、これに対する所得税額が五二六万二六〇〇円であるのに、昭和五一年三月一三日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が七六六万〇二八六円であり、これに対する所得税額が五五万二九〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額四七〇万九七〇〇円を免れ、
二、昭和五一年分の実際の総所得金額が二一八二万五三九二円であり、これに対する所得税額が六六五万八二〇〇円であるのに、昭和五二年三月一四日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が八八五万三九四七円であり、これに対する所得税額が八四万一三〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額五八一万六九〇〇円を免れ、
三、昭和五二年分の実際の総所得金額が二五二七万五九一四円であり、これに対する所得税額が八四五万七五〇〇円であるのに、昭和五三年三月一五日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一〇四六万五四八八円であり、これに対する所得税額が一三四万九二〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額七一〇万八三〇〇円を免れ、
第三 被告人五藤紘郎分に関し、
一、昭和五〇年分の実際の総所得金額が一八二一万〇六六五円であり、これに対する所得税額が四九六万四〇〇〇円であるのに、昭和五一年三月一三日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が七三八万五九四一円であり、これに対する所得税額が五一万〇〇〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額四四五万四〇〇〇円を免れ、
二、昭和五一年分の実際の総所得金額が二一〇四万七六二九円であり、これに対する所得税額が六三〇万七三〇〇円であるのに、昭和五二年三月一四日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が八五三万七二一三円であり、これに対する所得税額が七七万七五〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額五五二万九八〇〇円を免れ、
三、昭和五二年分の実際の総所得金額が二四三七万四九二五円であり、これに対する所得税額が七九八万六六〇〇円であるのに、昭和五三年三月一五日前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一〇〇九万一三六九円であり、これに対する所得税額が一二三万三六〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により正規の所得税額との差額六七五万三〇〇〇円を免れ、
たものである。
適用した罰条
所得税法二三八条一項、二項、刑法六〇条、懲役、罰金刑の併科、懲役刑につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、罰金刑につき刑法四八条、刑法一八条、刑法二五条一項
昭和五四年四月二四日
裁判所書記官 赤座弘里
(裁判官 北島佐一郎)