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岡山地方裁判所 昭和58年(わ)458号 判決 1983年12月05日

裁判所書記官

砂子和正

本店の所在地

岡山県玉野市玉三丁目八番一四号

法人の名称

三友興業株式会社

代表者の住居氏名

岡岡山県玉野市築港三丁目一〇番五号

久保脩

本籍

広島県安芸郡府中町みくまり一丁目一八二〇番地

住居

岡山県玉野市築港三丁目一〇番五号

会社役員

久保脩

昭和七年一〇月一八日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官坂田米雄出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人三友興業株式会社を罰金六〇〇万円に、被告人久保脩を懲役八月に各処する。

被告人久保脩に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人三友興業株式会社は、岡山県玉野市玉三丁目八番一四号に本店を置き、造船及び諸機械の設計、製図業を営むもの、被告人久保脩は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人久保は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て

第一  昭和五四年六月一日から同五五年五月三一日までの事業年度において、所得金額が二、〇一五万七、九六〇円で、これに対する法人税額が七一四万八、五〇〇円であるにもかかわらず、外注費の水増し計上をする等の方法により所得を秘匿した上、同五五年七月三一日、同市宇野二丁目四番一二号所在の玉野税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七万七、一三七円でこれに対する法人税額は零である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額七一四万八、五〇〇円を免れ

第二  同五五年六月一日から同五六年五月三一日までの事業年度において、所得金額が五、七六四万六、〇一七円で、これに対する法人税額が二、三一五万一、四〇〇円であるにもかかわらず、前同様の手段方法により所得を秘匿した上同五六年七月三一日、前記玉野税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、九九八万八、六〇〇円でこれに対する法人税額は一、一五三万七、二〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一、一六一万四、二〇〇円を免れ

第三  同五六年六月一日から同五七年五月三一日までの事業年度において、所得金額が二、九八七万九〇七円で、これに対する法人税額が一、一四八万七、八〇〇円であるにもかかわらず、前同様の手段方法により所得を秘匿した上、同五七年七月三一日、前記玉野税務署において、同署長に対し、所得金額が三二八万一、一六〇円で、これに対する法人税額が八九万八、四〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一、〇五八万九、四〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一  被告人久保脩の当公判廷における供述

一  被告人久保脩の検察官及び大蔵事務官(七通)に対する各供述調書

一  被告人久保脩作成の答申書

一  清水節子、川路勉、植野克己の検察官に対する各供述調書

一  島川義範の大蔵事務官に対する各供述調書

一  川路勉(二通)、島川義範作成の各答申書

一  大蔵事務官作成の外注費調査書、交際費調査書、支払手数料調査書、未納事業税調査書各一通

一  登記官作成の商業登記簿謄本

一  押収してある総勘定元帳三綴(昭和五八年押一一九号の一ないし三)及び法人税決定決議書一綴(同号の四)

(法令の適用)

被告人三友興業株式会社の判示第一の所為は、行為時においては昭和五六年法律五四号による改正前の法人税法一六四条一項、一五九条に、裁判時においては右改正後の同法一六四条一項、一五九条に、判示第二、第三の各所為はいずれも右改正後の同法一六四条一項、一五九条に該当するが、判示第一の所為については刑法六条、一〇条により行為時法の刑によることとし、以上は同法四五条前段の併合罪なので、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で、被告人三友興業株式会社を罰金六〇〇万円に処する。

被告人久保脩の判示第一の所為は、行為時においては昭和五六年法律五四号による改正前の法人税法一五九条一項に、裁判時においては右改正後の同法一五九条一項に、判示第二、第三の各所為はいずれも右改正後の同法一五九条一項に該当するが、判示第一の所為については刑法六条、一〇条により行為時法の刑によることとし、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は同法四五条前段の併合罪なので、同法四七条本文、一〇条により重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人久保脩を懲役八月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から二年間右の刑の執行を猶予することとする。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 下江一成)

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