大判例

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岡山家庭裁判所 昭和44年(少)1428号・昭44年(少)1964号

主文

少年を中等少年院に送致する。

理由

(非行事実)

本件記録中の

(一)  司法警察員荒木実男作成の昭和四四年七月三〇日附送致書記載の暴力行為等処罰ニ関スル法律違反の事実

(二)  同上 同年五月二六日附送致書記載の傷害の事実

とそれぞれ同一であるからここにこれらを引用する。

(適用法令)

暴力行為等処罰ニ関スル法律違反の行為に対して 暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条

傷害の行為に対して 刑法第二〇四条、第六〇条

(処遇)

本件非行事実は本件記録並びに少年の当審判廷での供述によつて明らかである。

そこでその処遇について考えてみるのに、

(一)  少年は前歴としては、窃盗の非行による審判不開始決定が一回と道路交通法違反の非行(いずれも無免許運転)による同様決定一回あるのみであるが、

(二)  本件非行の動機はとにかくとしてその態様は悪質であること、

(三)  少年は小学校の高学年頃から不良の友人と交遊し始め、中学校入学後もその傾向が著しくなり為に怠学をし、服装態度も不良となり学内においては暴力行為を敢行し学外ではオートバイの無免許運転をし夜遊びをも盛んにやるようになり、遂にも女性との性関係をも生ずに至り、怠学の状態は悪化の一途を辿り、漸く中学校を卒業したものの、その卒業式には居眠りをした位であり、高校に入学しても喫煙や無断欠席等の理由でわずか一ヵ月足らずで除籍退学させられ、その後は現在の職に定着しているものの保護者とは別居し、現職場には年長不良の徒輩が多くそれ等と交遊しては毎夜の如く盛り場を徘徊している中、本件非行を重ねるに至つたこと、

(四)  少年は一応反省悔悟の情を示しているもののまだ十分とは思われないこと、

(五)  保護者として実父母がいるものの全く少年を放任し何等の対策・方策も施していないし、その意思も認められない程で保護能力には全く期待できないこと、

(六)  少年は知能は、普通級(I・Q・一〇三)で知的にも精神的にも欠陥はないし明朗で社交的で多弁の上、人なつこい反面派手好きで活動的で自己顕示欲が強く即行的で自己中心的に考え、自律的自主性に乏しく情緒も不安定であること、

(七)  又、少年の現在の職場並びに住居は暴力団の一員が雇主でその同僚等もいずれも不良性・犯罪性を帯びた者が多く要注意の団体であること、

等の諸事情を綜合すると、少年に対しては在宅保護には適さず、むしろ、この際少年を施設に収容の上、その厳格な訓練指導によつて犯罪性の除去と道徳心、反省心の涵養とを計らしめて更生をさせる必要があるものと認めるので、少年法第二四条第一項第三号、少年院法第二条第三項により主文のとおり決定する。

(裁判官 三好昇)

司法警察員荒木実男作成の昭和四四年七月三〇日付送致書記載の犯罪事実

被疑者A、D・Sは共謀の上昭和四四年七月○○日年後七時四〇分頃、和気郡○○町○○○△△△△の○番地先路上において、たまたま同所を通行中の和気郡日生町大字○○○○○○番地真○孝○(一九)を呼びとめ同人に対し○村病院勤務の看婦○野某を呼び出すよう依頼したが、これを断わられたことに立腹し被疑者Aは手拳で同人の顔面頭部等を、被疑者、D・Sは所携の洋傘を持つて同人の背中をそれぞれ殴打暴行を加え、

更に逃げる右真○を右同町○○○××××の○○番地○ン○ルパチンコ店前まで追いかけ、同所において右両名交互に同人の頭部顔面頸部等を数回殴打する等の暴行を加えもつて数人共同して暴行を加えたものである。

司法警察員荒木実男作成の昭和四四年五月二六日付送致書記載の犯罪事実

被疑者、D・SはB、Cと共謀の上、昭和四四年五月○日、午後五時四五分頃、和気郡○○町△△○○○○の○番地国道上に於て福岡県山門郡○○町大字○○×××番地○田○郎が

信号器が赤になつたのに突込んできた

と因縁をつけ口論の上、右、Cと共に手拳で被疑者Bは鉄棒で各々右○田の右腕等を殴打暴行を加えよつて同人に全治一〇日間を要する左大腿右前腕右下顎部打撲の傷害を与え、

これに立腹した右○田は所携の点検ハンマーを持つて前記相被疑者Bの左腕を殴打しよつて同人は全治一〇日間を要する左上腕裂創の傷害を与えたものである。

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