広島地方裁判所 昭和25年(行)2号 判決
原告 安本義明 外八名
被告 広島国税局長
一、主 文
原告等の訴を却下する。
訴訟費用は原告等の負担とする。
二、事 実
原告等訴訟代理人は「被告が昭和二十四年七月八日なした原告等の昭和二十三年度所得税審査決定を取り消す。訴訟費用は被告等の負担とする」との判決を求め、その請求原因として、訴外尾道税務署長が昭和二十四年二月二十六日した原告等に対する昭和二十三年度所得税金額決定に対して異議のある原告等は被告に対し昭和二十四年四月一日それぞれ審査の請求をなしたところ、被告は同年七月八日付をもつて別紙記載のとおりの決定をなし、同年十二月十四日原告等は右決定の通知書を受領したものであるが、原告等はいずれも農業を営み、昭和二十三年度における收入金、必要経費および所得金額は別紙記載のとおりであつて、右審査決定は違法であるからこれが取消を求めるため本訴請求におよぶと陳述し、なお被告の主張に対し、原告等は昭和二十四年八月二十五日頃被告の審査決定通知書を尾道税務署員に返却したものであると述べ乙号各証の成立を認めた。
被告指定代理人は主文掲記と同趣旨の判決を求め、本案前の抗弁として、被告は原告等の昭和二十三年度分の所得税の審査決定を昭和二十四年七月八日付でなし、その通知を同年七月十五日尾道税務署から原告等に発送しおそくも七月十七日には原告等に到達しているので、本訴は出訴期間を徒過したものであると述べ、本案につき請求棄却の判決を求め、原告主張事実中その主張する日に原告等から被告に対し審査の請求をなし、これに対し被告がその主張のとおりの決定をしたことは認めるがその余は否認すると述べた。
(立証省略)
三、理 由
まず本案前の抗弁につき案ずるに、被告の発した審査決定通知書が昭和二十四年七月十七日原告等に対しそれぞれ到達したことは、成立につき爭のない乙第一号証の一、二の(イ)ないし(ニ)および三の(イ)ないし(ハ)により認められ、本訴提起が昭和二十五年一月十九日であることは記録上明らかであるので本訴は行政事件訴訟特例法第五條の規定に照らし、出訴期間を徒過したものというべきである。原告主張の如く原告等が右通知書を一旦受け取つた後税務署職員に返却したとしても、原告等が右処分を知つたことには変りがないから右認定に消長をきたすものではない。
そして右欠けつは補正出來ないから本訴は不適法として却下すべきものとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九條、第九十三條を適用し主文のとおり判決する。
(裁判官 三宅芳郎 浅賀栄 熊佐義里)
(別紙省略)