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広島地方裁判所 昭和50年(わ)608号 判決 1976年3月18日

事務所所在地

広島県安芸郡海田町海田市一七〇七番地

株式会社松田商店

右代表取締役

松田要

本籍並びに住居

広島県安芸郡海田町海田市一二六二番地

会社役員

松田萬亀雄

大正二年三月一五日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官島田清出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社松田商店を罰金一、〇〇〇万円に、被告人松田萬亀雄を懲役六月に処する。

被告人松田萬亀雄に対し、この裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社松田商店は、昭和四八年五月一七日までは広島県安芸郡海田町海田市一、二六二番地に、同月一八日以後は同町海田市一、七〇七番地に本店を置き、製材及び製品の売買等の事業を営んでいたもの、被告人松田萬亀雄は、同会社の取締役で同会社の業務全般を統轄し、事実上その経営に当っていたものであるが、被告人松田萬亀雄は同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、同会社総務部長上田都史夫と共謀のうえ、

第一  昭和四七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、所得金額が二億三、四八〇万五、一二二円で、これに対する法人税額が八、四二二万六、〇〇〇円であるにもかかわらず、昭和四八年二月二八日、同町海田市九九八番地所在海田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億六、七二一万六、三七六円で、これに対する法人税額が五、九三八万七、〇〇〇円である旨の金額過少の法人税確定申告書を提出し、もって右不正の行為により、差引二、四八三万九、〇〇〇円の法人税を免れ

第二  昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、所得金額が四億五、五六八万一、五四五円で、これに対する法人税額が一億六、三六四万一、五〇〇円であるにもかかわらず、昭和四九年二月二八日、前記海田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三億八、八〇八万三、〇五〇円で、これに対する法人税額が一億三、八七九万九、二〇〇円である旨の金額過少の法人税確定申告書を提出し、もって右不正の行為により、差引二、四八四万二、三〇〇円の法人税を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき、

一、被告人株式会社松田商店(以下被告会社という)代表者及び被告人松田の当公判廷における各供述

一、被告人松田の検察官に対する供述調書

一、被告人松田の大蔵事務官に対する昭和四九年一〇月一四日付、同年一一月二六日付、同年一二月一六日付各質問てん末書

一、上田都史夫、塩谷政人の検察官に対する各供述調書

一、上田都史夫(昭和四九年七月一日付、同年一一月二一日付、同月二六日付、同年一二月一四日付)、塩谷政人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、上田都史夫作成の昭和四九年七月三日付上申書

一、海田税務署長作成の青色申告の承認の取消通知書謄本

一、押収にかかる法人税決議書綴一綴(証一号)

判示冒頭の事実につき

一、登記官作成の商業登記簿謄本

判示第一の事実につき

一、藤原純三の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、押収にかかる昭和四七年度総勘定元帳一冊(証二号)、売上計算書綴一綴(証六号)、請求書綴一綴(証七号)

判示第三の事実につき

一、足立与市、大前幸雄、岩田尚生の検察官に対する各供述調書

一、足立与市、大前幸雄、今田一美の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、上田都史夫(昭和四九年一二月一四日付)、塩谷政人(二通)、岩田尚生、今田一美作成の各上申書

一、押収にかかる昭和四八年度総勘定元帳一冊(証三号)、奥の原山発送案内書四冊一綴(証一〇号)、送り状三冊綴一綴(証一一号)、昭和四八年分決算書綴三綴(証一二号)、合板出入日報一綴(証一三号)

(法令の適用)

一、判示各事実(被告人松田)

各法人税法一五九条一項、刑法六〇条(各懲役刑選択)

二、判示各事実(被告会社)

法人税法一六四条一項、一五九条

三、併合罪

(一)  被告人松田

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条

(犯情の重い判示第二の罪の刑に加重)

(二) 被告会社

同法四五条前段、四八条二項

四、執行猶予(被告人松田)

同法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 横山武男)

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