広島地方裁判所 昭和60年(わ)623号 判決
主文
被告人を懲役一年及び罰金一四〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
(罪となるべき事実)
被告人は、広島県呉市本通七丁目三番一三号に居住し、同所に本店を設けて、「まるとくの呉服」の屋号で呉服の小売、貸衣装業を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、
第一 昭和五六年分の実際所得金額は四四四八万二五〇六円でこれに対する所得税額が二〇五四万九四〇〇円であるのにかかわらず、呉服の売上の一部を除外し、或いは架空の仕入を計上するなどの方法により右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五七年三月一五日、同市西中央二丁目一番二一号所在の呉税務署において、同税務署長に対し、右年分の所得金額は事業所得等合計一〇六二万三八六〇円でこれに対する所得税額が二四二万二三〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税一八一二万七一〇〇円を免れた。
第二 昭和五七年分の実際所得金額は四八三三万二一一八円でこれに対する所得税額が二二九八万九七〇〇円であるのにかかわらず、前同様の方法により右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五八年三月一五日、前記税務署において、前記税務署長に対し、右年分の所得金額は事業所得等合計一二一〇万六一四四円でこれに対する所得税額が三〇一万二五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税一九九七万七二〇〇円を免れた
第三 昭和五八年分の実際所得金額は七〇九二万九五七四円でこれに対する所得税額が三八一四万七三〇〇円であるのにかかわらず、架空の仕入を計上し、或いは棚卸商品の一部を除外するなどの方法により右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五九年三月一四日、前記税務署において、前記税務署長に対し、右年分の所得金額は事業所得等合計一二四〇万四七〇四円でこれに対する所得税額が三一二万二一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税三五〇二万五二〇〇円を免れたものである。
昭和六一年二月四日
裁判所書記官 真砂康樹
(裁判官 中村謙二郎)