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広島家庭裁判所 昭和34年(家イ)296号 審判 1959年7月04日

国籍 アメリカ合衆国 住所 同国カリフオルニヤ州

申立人 井上一雄(仮名)

本籍 広島市 住所 広島県安芸郡

相手方 則武静子(仮名)

主文

申立人と相手方を離婚する

理由

申立人は主文同旨の調停を求めた。

当裁判所は昭和三十四年七月一日第一回調停委員会を開いたところ、申立人は肩書地記載のとおり米国に居住しているので代理人田中元が、相手方も亦肺結核のため病臥中のため代理人(実父)則武鉄也がそれぞれ出頭した。

而して、右代理人等はいづれも本件離婚の申立に合意する旨調停委員会において陳述した。しかし、本件は身分行為であつて代理に親しまないものであり、代理人の合意を以て直ちに当事者本人間の合意として調停を成立させることはできないが、申立書添付の申立人本人の口述書、家庭裁判所調査官藤本和男作成の調査報告書の各記載等に徴すると相手方が肺結核であるため円満なる婚姻の継続が期待できないので相互に離婚の意思あることが明白である。

よつて、当裁判所は調停委員越智三郎、同富士井テル子の意見をきき、夫の本国法であるアメリカ合衆国カリフオルニア州の離婚に関する法律、日本国の民法、家事審判法を適用して主文のとおり審判する。

(家事審判官 藤井英昭)

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