大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

広島高等裁判所 平成2年(う)144号 判決

被告人は,警察官は被告人を逮捕する際,覚せい剤の所持を現認していないのに,被告人の行動の自由を奪って所持品を押収した点納得がいかない旨主張するが,記録によれば,覚せい剤密売所で見張っていた警察官は,被告人の行動から覚せい剤を買ったものと認め,職務質問をすべく,帰ろうとした被告人に警察官であることを告げた上,「今買ったものを見せてくれ。」と声をかけたこと,これに対して被告人は,「何もしらん。」と言ったが,その足元に落ちている覚せい剤を発見した警察官は,被告人を覚せい剤所持の現行犯人と認めて逮補するとともにその覚せい剤を押収したことが認められ,右のような経緯からすると,当時被告人の所持品検査をする必要性と緊急性が高かったというべきであるから,仮に被告人が当審公判廷でいうように,警察官が被告人の手を押えたため覚せい剤が落ちて見付かったものであるとしても,右程度の有形力の行使にとどまる限り必ずしも違法とはいえない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!