大判例

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広島高等裁判所 昭和25年(う)146号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(理由)

所論は原判決は不法に公訴を受理した違法があるというのであるが起訴状には裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し又はその内容を引用してはならないとは刑訴法第二五六條第六項に規定するところであるがそれが罪となるべき事実と関係がないのに拘らず單に被告人の惡性を中傷強調する目的を以て被告人の性格経歴素行等に関する事実を記載した場合は右規定の趣旨に反すること勿論であるが罪となるべき事実を表示するためこれが説明の範囲において記載される場合は右規定の趣旨に反するものではない。本件起訴状公訴事実第一冐頭において「被告人山根は性質粗暴にして傷害罪により懲役に処せられ保釈中であり近隣の者から嫌惡畏怖せられているものではあるが」と記載したるはその言辞やや穏当を缺くうらみなしとしないのであるが右は以下記載の犯罪事実を表示するための措辞であることは第一(一)の事実中「被告人は山岡荒松方に於て平素自己の性行を知悉している同人に対し「今晩酒を飮むから燒酎を一本貸してくれ」と申向けその要求に應じなければ同人の身体に危害を加えるかも知れぬ旨を暗示して同人を畏怖させ云々の記載と照し合わして明かである即ち前記被告人の経歴素行等は右恐喝の手段として用いられたる事実を表示したに過ぎないものであることは公訴事実記載の全般から之を認め得るから本件起訴状の記載に所論の如き違法ありとはいえない。論旨は理由がない。(高裁判決特報二号四四頁と同旨)

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