広島高等裁判所 昭和25年(う)810号 判決
原判決が原判示第一事実を認定する証拠として挙げておる井上万太郎の供述を録取した司法巡査作成の第一回供述調書に作成者である司法巡査田畠信雄の署名のみあつて押印のないこと従つて該調書は刑事訴訟規則第五十八条所定の形式に違反することは所論のとおりである。しかし供述調書の作成者である司法巡査の捺印を欠ぐ場合にその調書を無効にする法規はないのみならず記録を精査するに右供述調書は昭和二十五年六月二十四日井上万太郎が濁川巡査駐在所で司法巡査田畠信雄に対しなした供述を同巡査が録取した後これを供述者である井上万太郎に読みきかせたところ同人は誤でないことを申立て署名指印(拇印の誤りと認む)してをることが認められるのであるから右供述調書は司法巡査田畠信雄の作成したものと言うべく従つて該調書は無効とすべきでない(後略)。