大判例

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広島高等裁判所 昭和25年(う)840号 判決

起訴状(昭和二十五年五月二十七日附)の公訴事実に被告人は、昭和二十五年四月二十一日頃業務上保管中の現金十万円を檀に自己の債務弁済に充当横領したものであると記載して起訴した費消横領事実を原審は何等訴因変更の手続をしないで着服横領したものであると判決で認定しておることは所論のとおりである。

然し訴因とは公訴事実を法律的に構成したものを言うのであるから右起訴状によれば本件の場合は被告人が業務上保管中の農林省共済組合山口食糧事務所支部の金員を不法に領得した事実が訴因である。従つてこの事実に変更がない限りその不法領得の方法が費消であるか着服であるかどちらになつても訴因に変更を来たさないものと言うべく、してみれば費消横領で起訴されたものを着服横領として認定するも何等訴因変更の手続をとる必要はないのであつて原審の訴訟手続及び判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。

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