大判例

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広島高等裁判所 昭和26年(う)1062号 判決

本件記録を精査するに原審第二回公判調書には出席検察官の氏名が記載されていないこと而も右第二回公判期日においてなされた被告人Sの供述及証人山崎好信の証言を事実認定の資料として原判決はこれを挙示していること弁護人指摘のとおりである。

おもうに出席した検察官の何人であるかということは公判においても最も重要な事項であるからその氏名の記載を公判調書の記載要件としているのであつてこれを欠くときは如何なる氏名の検察官が出席したか全然知ることができず従つて権限ある検察官が出席して適法に判決裁判所を構成したという事実を認めることができない。そうすると原審第二回公判調書に記載された第二回公判期日における審理は適法に判決裁判所を構成せずしてなされたものと認めるの外なく、公判期日においてなされた被告人Sの供述及証人山崎好信の証言はこれを事実認定の資料となし得ないこと勿論であつてこれを証拠とした原判決は法令違反の違法を犯したものといわねばならない。而して同公判期日においてなされた右証言を除いては同被告人の判示第一、第二、の事実を認めることができないから右の違法は判決に影響を及ぼすこと明白である。論旨は理由があり原判決中被告人Sに関する部分は弁護人その余の論旨に対する判断をまつまでもなくこの点において破棄を免れない。

原判決は被告人Mに対する関係においても前記証人山崎好信の証言を事実認定の資料として挙示しており而も同証言を除いては同被告人の判示第二の事実もこれを認定し得ない。従つて被告人Sの右控訴理由は被告人Mにも共通するものであるから同被告人の弁護人村田喜一の控訴の趣意に対する判断をなすまでもなく刑事訴訟法第四百一条により原判決中Mに関する部分もまた破棄を免れない。

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