広島高等裁判所 昭和26年(う)720号 判決
本件記録を精査するに尼子数良提出の被害届及司法警察官若木史郎作成の尼子美枝の第一回供述調書尼子美枝提出の押収物還付調書によると本件犯行の日時が昭和二十六年五月二十四日午後十時より翌二十五日午前四時までの間でありその被害品には尼子数良所有のもののみでなく尼子美枝所有のものも含まれていることが明らかであるから原審が本件犯行日時を昭和二十六年五月二十四日午前二時、被害者を尼子数良と認定したのは弁護人所論の如く事実誤認の違法を犯したものといわねばならない、しかしながら犯罪の日時及被害者の点に関するかゝる程度の事実の誤認は公訴事実の同一性を害せず被告人の防禦に実質的不利益を与へるものでないから判決に影響を与へること明らかである場合にあたらない。論旨は結局理由なきに帰する。