広島高等裁判所 昭和27年(う)170号 判決
外国為替及び外国貿易管理法第一四条第一項にいわゆる両替業務とは業として行う外国通貨の売買及び外国から仕向けられ又は外国通貨を以て表示された旅行小切手の買入れをいい又業として行うとは利益を得る目的を以て右の行為を継続反覆して行うことを指称し、その者が他に主たる営業を有していると否とは問わないところである。そして本件についてはこれを見るに、原審公判調書中の被告人の供述記載によれば被告人は原判示のように中本英男より米貨一弗を金三百円と交換即ち一弗を金三百円で買入れ、更にこれを他と一弗を金三百六十円の割合で取引しその間に利益を収めていたものであり、又本件四回に亘る買入れ行為の相手方はいづれも中本英男だけであるけれども、前記証人中本英男の供述記載によれば、同人は最初は被告人を全然知らなかつたが徳山市内において、被告人方へ行けば外貨を交換してくれるという話を聞知し被告人方を訪ね、よつて判示のように四回に亘つて売渡すに至つたものであることが認められ、本件は業として行われたものであることを十分推知することができるから、原判決には所論のような法令の違反はない。