大判例

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広島高等裁判所 昭和27年(う)322号 判決

職権で調査するに原判決は「被告人西川の司法警察員に対する自供調書並びに被告人矢野の司法警察員及び検察官に対する各自供調書以外に何れも被告人両名が犯人なりと断定し得るに足る補強証拠がない」ことを理由として無罪の言渡をしたこと原判文に徴し明らかであるが、犯人が被告人であることの証拠が自白のみであつても違憲違法でないこと最高裁判所判例(二三(れ)一三八二号二四、一一、二大法廷判決 二五(れ)一八六七号二六、三、九第二小法廷判決等)の示すところである。かかる形式的な理由で無罪とすることは、理由不備といわねばならない。而して原審において取り調べた証拠によれば本件公訴事実については一応の形式的証拠がそろつているのであるから、これを無罪と断ずるにはその証拠がどんな理由で証拠能力を欠くとか、或はその信をおけない理由を説明しなければ判決の理由としては不備というべきである。検事の論旨につき判断するまでもなく原判決は破棄を免れない。

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