大判例

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広島高等裁判所 昭和27年(う)83号 判決

原判決が被告人が法定の除外事由なく本件酒類及醪を製造し之を所持したものであると認定し之に酒税法第六〇条及第六二条第一項第三号を適用処断して居ることは所論の通りである。而して記録を調査するに起訴状に依れば本件に於て検察官から公訴を提起せられた訴因は被告人が法定の除外事由なくして政府の免許を受けた者以外の者の製造に係る酒類及醪を所持して居たとする酒税法第五三条違反の事実であることは明らかであつて其の後原審に於て右訴因が追加変更せられた形跡は認められない。従つて原審としては右訴因にき束せられ現実的な審判の対象としては右訴因に包含せられる事実に限定せられるものであるから、原審が同一の公訴事実であつて右訴因以外の事実に付て審判せんとするときは其の事実に付検察官に対して訴因としての追加変更を命じ其の追加変更があつた上で之が審判を為すべきである。而して酒類の不法所持と酒類の不法製造とは訴因としては別異のものと解するから原審が右のような手続を経ないで不法所持の訴因に対して不法製造の事実を認定して処断したのは、所論の様に審判の請求を受けない事件に付て判決をした違法があるものと言わなければならぬ。論旨は孰れも理由がある。

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