大判例

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広島高等裁判所 昭和28年(う)829号 判決

憲法第一五条第四項は、すべて選挙における投票の秘密の不可侵を保障し、これに基き公職選挙法は何人も被選挙人の氏名を陳述する義務なきこと(第五二条)及び官吏若しくは吏員等が選挙人に対しその投票した被選挙人の氏名の表示を求めることを禁止し、これに違反した場合の罰則を定めていること(第二二六条第二項)は所論のとおりである。

しかし他面において公職選挙法は、投票偽造その他の不正投票をした者を犯罪として処罰することを定めているのであつて(第二三七条)これらの犯罪の搜査又は処罰に当つてはその投票者及び被選挙人を明らかにする必要があるので、かかる場合は前記の規定の適用はおのずから排除される趣旨であることが明らかである。(最高裁判所昭和二三年(オ)第八号同年六月一日第三小法廷判決参照)そして本件は投票偽造に関する案件であるから、所論のように投票者並びにその被選挙人の氏名につき取調をしたとしても何等前記憲法の規定に反するものではない。論旨は理由がない。

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