広島高等裁判所 昭和28年(う)831号 判決
被告人は原審公判廷において検察官に対し警察において取上げられた石丸博子より被告人に宛てた背の君に奉ると書いた手紙を提出するよう要求したのに拘らず検察官においてこれに応じなかつたため被告人は甚だしく防禦権の行使を妨げられた旨主張する。しかし押収された証拠物を証拠として提出するかどうかは検察官の自由に決し得るところであるから検察官が被告人所論の如き手紙を証拠として提出しなかつたとしてもこれを以て訴訟手続に違背するものということはできないし又これを以て被告人の防禦権を不当に侵害したものとなすことも出来ない論旨は理由がない。