大判例

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広島高等裁判所 昭和44年(う)147号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕交差点の範囲に関する論旨について

道路交通法にいう交差点とは、本件のように歩車道の区別のある道路とその区別のない道路とが交わる場合においては、車道とその区別のない道路とが交わる部分をいうものであることは、同法二条五号の規定から明らかである。前掲検証調書によると、本件交差点は、前記私道が東西に通ずる歩車道の区別のある舗装道路(市道)と交差して形成されたもので、右舗装道路には北側に三メートル余の歩道が設けられているが、右歩道は、交差点の前記私道入口において切り取られ、原判決がその添付図面により説明しているように、C、Dを結ぶ線およびA、Bを結ぶ線がそれぞれ縁石線で区画され、その中間部分(C、D、B、A、Cの各点を順次結んだ線で囲まれた部分)だけ車道が拡げられ、この部分は、舗装道路から私道へ、また、私道から舗装道路へはいる人や車が通行する共通の場所になつていることが認められるのであるから、右の部分は、舗装道路の車道と私道が交わる部分に含まれると解するのが相当であつて、本件交差点の範囲を右部分の始端(C、D、B各点)からそれぞれ対応する道路側端に下ろした垂線と前記縁石線とで囲まれた部分(ホ、C、D、ニ、ロ、B、A、ホの各点を順次結んだ線で囲まれた部分)であるとした原審の認定判断は正当として是認すべきものである。所論は、右のとおりとすれば、本件交差点の範囲は、長さが二〇メートル以上に達することになり、このような見解は、道路交通法の目的を離れた画一的な考え方であるとか、被告人の駐車した場所はなんら交通の妨害とはならないなどと主張するので、この点について付言するのに、なるほど、原判決の示す本件交差点は、最も長い部分が二〇メートルを越え、その範囲がかなり広くなつていることは所論のとおりであるが、それは、本件交差点が鋭い角度で交差する三差路になつているため、私道から本件交差点にはいり舗装道路(市道)を左折して東進する車両等の交通の安全、円滑を図る必要上、交差点の私道入口部分の歩道を切り取るにあたり、私道の延長線に沿い、道路の交差角度とほぼ同じ角度で区画された縁石線(前記A、Bを結ぶ線)を設ける措置がとられ、車道の幅員がその分だけ拡げられたという本件交差点に特有の事情があつた故にほかならず、被告人がしたように右縁石線に沿つて自動車を駐車するときは、私道から本件交差点にはいり舗装道路(市道)を左折しようとする車両等の通行を妨げるおそれがあるのであつて(道路交通法三四条一項により、車両が左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側に寄ることが義務づけられている。)、所論のように交通の妨害とならないとはいえない。本件交差点の範囲に関する原審の判断は、道路交通法が、互いに交差する道路を直進し、あるいは、右折、左折する車両等の通行について起り得べき危険を防止し、道路交通の安全、円滑を図るため、交差点に関する諸規定を設けた趣旨に適合し、合理的であるということができるから、被告人の主張は採るを得ない。論旨は理由がない。(高橋英明 浅野芳朗 丸山明)

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