大判例

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広島高等裁判所 昭和56年(行コ)6号 判決

広島県呉市西中央四丁目三番五号

控訴人

日野義久

(旧氏名)日野義行)

右訴訟代理人弁護士

竹下重人

広島県呉市公園通四丁目二番地

被控訴人

呉税務署長

岡野進

右指定代理人

佐藤拓

中野紀従

木梨昭三

土井哲生

徳永輝三

右当事者間の所得税更正処分取消請求控訴事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実

第一申立

控訴人

(一)  原判決のうち昭和四〇年分所得税について総所得金額を金二三、五〇九、七四九円とした更正処分のうち金二一、五九五、八二七円以下の部分を取り消す。

(二)  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

旨の判決

被控訴人

主文第一、二項同旨の判決

第二主張関係

当事者双方の主張は、次のとおり付加するほか原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

控訴人

当審においては、昭和四〇年分の架空支払い(永野昇一)分一〇〇万円の主張のみにとどめる(原判決五枚目表末行から六枚目表六行目まで)。

本件小切手金一〇〇万円が永野昇の呉市中通り所在のパチンコ店オアシスの改修工事代金の支払金に含まれる余地はない。

被控訴人

控訴人は、査察調査の際のてん末書に独自の解釈を施し、当時永野昇に支払われるべき代金は存在しなかったというが、永野昇については所得税法違反の刑事事件において(控訴人を被告人とするもの)、裁判所が直接公判廷で同人の証言の信憑性を判断して有罪判決をしているのであるから、調査当初のてん末書の当否を論ずること自体問題であり、控訴人の主張は失当である。

第三証拠関係

当事者双方の証拠関係は、次のとおり付加するほか原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

控訴人

当審において新に甲第五、六、七号証を提出し、当審証人正力久幸及び同木島正の各証言を援用。

被控訴人

甲第五、六号証の各原本の存在、成立を認め、同第七号証の成立は不知とこたえた。

理由

一、控訴人は当審において控訴人の本訴請求中、昭和四〇年分金一〇〇万円の架空支払いに関する部分を除くその余の部分については不服申立をなさず、したがってその部分については当審における口頭弁論の対象となっていないから、以下控訴人が第一審の判決の変更を求める部分についてのみ判断を加える。

二、当裁判所は、控訴人主張の昭和四〇年分金一〇〇万円の架空支払いの有無について原判決の理由説示と同様(原判決八枚目裏二行目から一二枚目表七行目までを引用する。)、現実に永野昇に支払われたものと認定すべきものと判断する。当審提出の甲第五、六号証、当審証人正力久幸の証言により同人の作成したものと認められる同第七号証、右証言を総合検討しても、右認定を左右すべきものとはなし難く、他に該認定を動かすに足りる的確な証拠は存しない。

そこで右一〇〇万円分だけ昭和四〇年の所得金額を過大に算定したことを前提とする控訴人の本件控訴は理由がないことになるのでこれを失当として棄却し、控訴費用の負担につき民訴法第八九条、第九五条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 熊佐義里 裁判官 大西浅雄 裁判官 中村行雄)

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