広島高等裁判所岡山支部 昭和26年(う)148号 判決
右検事調書が相被告人Fに対する関係において証拠として提出され被告人崔海珠に対する関係においては証拠として提出されておらないこと右調書を証拠とすることについては被告人Fに対する関係において同被告人並にその弁護人が同意し、その趣旨において証拠調がなされたことは原審第一回公判調書の記載に照し明らかである。然るに原審は突如として右調書を被告人崔海珠に対する関係において事実認定の資料としておるのである。これは証拠とすることができない証拠を採つて断罪の資料としたものでありその手続が法令に違反し且その違反が判決に影響を及ぼすことは本件記録を検討することによつて明瞭である。されば原判決はこの点において到底破棄を免れない。