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広島高等裁判所岡山支部 昭和27年(う)254号 判決

弁護人の控訴趣意中、被告人実兼、岸本、三原、森喜志、中山、丸山に関する沒収、追徴に法令違背、理由不備の違法があるとの主張について。

本件犯行時における関税法第八十三条第一項の規定によれば、同法第七十六条の犯罪すなわち密輸出入に係る貨物又は密輸出入の用に供した船舶にして、犯人の所有又は占有に係るものは之を沒収するとあつて、右貨物又は船舶を同条第一項によつて沒収するためには、それが裁判の当時なお犯人の所有又は占有に係る場合でなければならないことはいうまでもないが、ここに犯人の所有又は占有に係るものはこれを沒収するというのは、単にその所有者、占有者たる犯人に対してのみ沒収の言渡をするという趣旨ではなく、その所有者又は占有者たる犯人と共犯の関係に立つ以上、その共犯の形態の如何を問わず、またその者がその貨物又は船舶につき所有権又は占有権を有すると否とを問わず、共犯者の全員に対し等しく沒収の言渡をなすべき趣旨と解する。しかして同条第二項及び第三項の規定に徴すれば、たとい裁判の当時右貨物又は船舶が犯人の所有又は占有を離れ、第三取得者の所有又は占有に属している場合にあつても、善意取得の証明のない限りなおこれを沒収し、若し消費その他の理由によつてこれを沒収することができない場合には、沒収できない限度において、その原価(船舶についてはその価格)に相当する金額を犯人より追徴すべき旨規定せられているのであるから、本件控訴趣意書記載の各被告人等もまた右船舶及び貨物の沒収又は沒収不能の限度における追徴の責を免れることはできない。

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