広島高等裁判所岡山支部 昭和27年(う)388号 判決
本件電線が国の所有であつて津山電報電話局の管理に属していたことまた被告人もこれを自己の所有物とは観念せずすくなくとも自己以外の者である実父山田尚の所有に属するものと考えていたことは原審公判調書中の証人村杜章三及び被告人の供述記載等によつて明らかであるから、本件についてはなお被告人の認識の限度内において、親族相盗の成立することを否定するわけにゆかない。とすると、本件公訴事実については親族相盗の成立を認め、刑法第二百四十四条第一項に従い刑の免除の言渡をなすべきものであつてこれと見解を異にし単純なる無罪を言渡した原判決は事実を誤認したか、または法令の解釈適用を誤つた違法があるものとして破棄せらるべきものである。論旨は理由がある。