大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

広島高等裁判所松江支部 平成12年(行コ)11号 判決 2001年5月30日

控訴人

同訴訟代理人弁護士

田中滋啓

被控訴人

浜田税務署長

伊藤義隆

同指定代理人

大西達夫

長尾俊貴

要田悟史

好中和儀

斎藤勤

武本俊夫

阿井賢二

主文

1  本件控訴を棄却する。

2  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第1控訴の趣旨

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が、控訴人に対し、平成6年3月31日付けでした控訴人の平成3年分の所得税再更正処分のうち、総所得金額で348万5145円を超える部分及びこれに対する同年分の過少申告加算税額の賦課決定処分並びに控訴人の平成4年分の所得税更正処分のうち、総所得金額で1242万0685円を超える部分及びこれに対する同年分の過少申告加算税額の賦課決定処分をいずれも取り消す。

3  訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。

第2事案の概要

1  事案の概要は、次のとおり当審における控訴人の主張を付加するほか、原判決「事実及び理由」中の「第二 事案の概要」記載のとおりであるから、これを引用する。

2  当審における控訴人の主張

必要経費と認められるためには、(1)経費が現実に支出されたこと、(2)支出が個別対応又は期間対応していることまで立証することは必要ではない。(1)については、各費目の一部の支出自体に疑問があることを当該科目全体に及ぼし、支出が確実な費目があることを無視しているし、(2)については、控訴人の事業の特殊性を無視して純形式的に前記基準を当てはめて経費性を否定する過ちを犯しているものである。

第3当裁判所の判断

当裁判所も、控訴人の請求はすべて失当であると判断する。その理由は、次のとおり補正するほか、原判決「事実及び理由」中の「第三 当裁判所の判断」記載のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決45頁7行目の「である。」の次に「これと見解を異にする当審における控訴人の主張は採用できない。」を加える。

2  原判決51頁3行目の「裏付ける」の次に「的確な」を、「支出自体」の次に「ないしは、その支出と事業との関連性」をそれぞれ加える。

3  原判決52頁10行目の「とおりであり、」の次に「右電話料と事業との関連性の有無については不明というほかなく、」を加える。

4  原判決54頁2行目の「結婚祝い等があり、」の次に「これらが控訴人の事業と関連することを認めるに足りる証拠もなく、」を加える。

5  原判決65頁6行目から同7行目にかけての「必要経費とするには多大の疑問がある。」を、「控訴人の事業との関連性を認めがたく、必要経費とは認められない。」と改める。

第4結論

よって、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却する。

(裁判官 植屋伸一)

裁判長裁判官 前川豪志は退官のため、裁判官 石田裕一は転補のためいずれも署名押印できない。 裁判官 植屋伸一

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例